スペイン 危機の二〇世紀
内戦・独裁・民主化の時代を生きる
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内戦、フランコ独裁、そして民主化へ――
内戦で亡命を余儀なくされた文学者や芸術家たち。 独裁政権下での検閲、民主化による「和解」のもとで沈黙を強いられた人々……。 さらに今世紀に入って隆盛するカタルーニャ独立運動など、 現在につながる危機の原点をたどり、新しい二〇世紀像を提示する注目作。
はじめに
第一章 自治と独立――カタルーニャ独立主義の源流
第二章 共和政・内戦からフランコ独裁へ――政治的暴力の歴史とどう向き合うか
第三章 「二七年世代」の女性作家たち――コンチャ・メンデスとマリア・テレサ・レオン
第四章 スペインの前衛芸術と内戦
第五章 フランコ独裁政権下の小説――社会危機の表象
第六章 スペイン民主化とは何だったのか――価値観・社会運動・政治制度
第七章 移民をめぐる「危機」とスペイン社会
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
八嶋由香利(YASHIMA, Yukari)※編者 慶應義塾大学経済学部教授。東京大学大学院総合文化研究科後期博士課程単位取得退学ほか、博士(学術)。専門分野:スペイン近現代史。主要著作:『近代都市バルセロナの形成―都市空間・芸術家・パトロン』(共著、慶應義塾出版会、2009年)、『西洋近代の都市と芸術6 バルセロナ―カタルーニャ文化の再生と展開』(共著、竹林舎、2017年)、ほか。
加藤伸吾(KATO, Shingo) 慶應義塾大学経済学部専任講師。スペイン国立遠隔教育大学大学院修了。修士(国際関係論)、高等研究学位(政治・社会思想史及び政治・社会運動史)。専門分野:スペイン現代史。主要著作:«Los ‘valores emancipadores’ de los españoles en el Tardofranquismo. Los sondeos de la época reexanimados (1969-1975)», en Mónica Fernández Amador (coord.), Historia de la transición en España. Dimensión internacional y otros estudios, 2019, Madrid: Sílex, págs. 741-759; 『共生社会の再構築U:デモクラシーと境界線の最定位』(共著、法律文化社、2019年)、ほか。
坂田幸子(SAKATA, Sachiko) 慶應義塾大学文学部名誉教授。名古屋大学大学院文学研究科大学院博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門分野:スペイン語圏の文学。主要著作:『ウルトライスモ―マドリードの前衛文学運動』(国書刊行会、2010年)、『世界文学へのいざない』(共著、新曜社、2020年)、ほか。
松田健児(MATSUDA, Kenji) 慶應義塾大学商学部教授。マドリード・コンプルテンセ大学大学院地理・歴史学部博士課程単位取得退学、修士(現代美術史)。専門分野:スペイン美術史。主要著作:『スペイン美術史入門―積層する美と歴史の物語』(共著、NHKブックス、2018年)、『もっと知りたいミロ―生涯と作品』(共著、東京美術、2022年)、ほか。
丸田千花子(MARUTA, Chikako) 慶應義塾大学経済学部准教授。慶應義塾大学法学部卒業、米国コロンビア大学大学院博士課程修了、Ph.D.(スペイン文学)。専門分野:20世紀スペイン文学。主要著作:"A New Readership for the Exiled Writers : Evolution of Francisco Ayala's Post-War Novels",『言語文化コミュニケーション』50号(2018年) 、「『仔羊の頭』における内戦の全景と断片」『イスパニカ』56号(2012年)、『仔羊の頭』(共訳、現代企画室、2011年)、ほか。
深澤晴奈(FUKASAWA, Haruna) 慶應義塾大学商学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、博士(学術)。専門分野:スペイン現代政治・社会。主要著作:『新・世界の社会福祉 第4巻 南欧』(共著、旬報社、2019年)、『国境を越えるラテンアメリカの女性たち—ジェンダーの視点から見た国際労働移動の諸相』(共著、晃洋書房、2019年)、ほか。
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