ナチズムは再来するのか?
民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓
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民主主義は危機にあるのか? 当時、世界で最も民主主義的な憲法をもちながらも、 わずか14年でナチスに破壊されてしまったヴァイマル共和国。 当時の政治社会状況と現在の状況との、共通点とはなにか。 現代社会を覆うポピュリズムに、ドイツを代表する研究者たちが 歴史の経験から警鐘を鳴らす。 ヴァイマル建国100年を記念して、ラジオ・新聞でメディアミックス的に 展開されたエッセイを一冊にまとめた、注目の書。
(原著:Weimarer Verhältnisse? Historische Lektionen für unsere Demokratie, Reclam, 2018)
『国際政治』 (日本国際政治学会)209号p.163に書評が掲載されました。評者は山崎望氏(駒澤大学)です。
『Wedge(ウエッジ)』 2022年7月号「板橋拓己氏の投稿記事「ナチ台頭許した『ヴァイマル共和国』――社会の分断が招く破滅」で、本書が紹介されました。
『週刊読書人』 2019年12月20日(10面)「「2019年回顧」(動向・収穫)」で、村上宏昭氏(筑波大学人文社会系助教・ドイツ近現代史)に本書を挙げていただきました。 本文はこちら
まえがき
第1章 〈政治文化〉 理性に訴える 第2章 〈政党システム〉 敵と友のはざまで 第3章 〈メディア〉 政治的言語とメディア 第4章 〈有権者〉 抵抗の国民政党 第5章 〈経済〉 ヴァイマル共和国の真の墓掘人――問題の累積をめぐって 第6章 〈国際環境〉 番人なき秩序――戦間期の国際紛争状況と軍事戦略の展開 第7章 〈外国からのまなざし〉 不可解なるドイツ おわりに 警戒を怠らないということ
ヴァイマル共和国略史 訳者あとがき 編著者・訳者紹介
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編者】 アンドレアス・ヴィルシング(Andreas Wirsching) 1959年生まれ。ミュンヘン大学(LMU)教授(現代史)、現代史研究所(IfZ)所長。ドイツにおける現代史研究を牽引する存在であり、ヨーロッパ現代史に関する著作多数。近著に、冷戦終焉後のヨーロッパを論じたDemokratie und Globalisierung. Europa seit 1989, München:C.H. Beck, 2015がある。また、ヴァイマル共和国に関しては、スタンダードな概説書・研究手引書であるDie Weimarer Republik. Politik und Gesellschaft (Enzyklopädie Deutscher Geshichte 58),München: R. Oldenbourg, 2000(2. Aufl., 2008)を著している。
ベルトルト・コーラー(Berthold Kohler) 1961年生まれ。ジャーナリスト。1999年から『フランクフルター・アルゲマイネ新聞』の発行責任者。
ウルリヒ・ヴィルヘルム(Ulrich Wilhelm) 1961年生まれ。ジャーナリスト。2011年からバイエルン放送の代表。
【著者】 アンドレアス・ヴィルシング〈第1章、おわりに〉:編者紹介参照
ホルスト・メラー(Horst Möller)〈第2章〉 1943年生まれ。ミュンヘン大学名誉教授(近現代史)。1992年から2011年まで現代史研究所(IfZ)所長。近著にDie Weimarer Republik. Demokratie in der Krise, München: Piper, 2018.
ウーテ・ダニエル(Ute Daniel)〈第3章〉 1953年生まれ。ブラウンシュヴァイク工科大学教授(近代史)。近著にBeziehungsgeschichten. Politik und Medien im 20. Jahrhundert, Hamburg: Hamburger Edition, 2018.
ユルゲン・W・ファルター(Jürgen W. Falter)〈第4章〉 1944年生まれ。マインツ大学研究教授(政治学)。2000年から03年までドイツ政治学会会長。近著に10 Millionen ganz normale Parteigenossen. Neue Forschungsergebnisse zu den Mitgliedern der NSDAP 1925-1945, Stuttgart: Franz Steiner Verlag, 2016.
ヴェルナー・プルンペ(Werner Plumpe)〈第5章〉 1954年生まれ。フランクフルト大学教授(経済史・社会史)。近著にDas kalte Herz.Kapitalismus: Die Geschichte einer andauernden Revolution, Berlin: Rowohlt, 2019.
ヘルフリート・ミュンクラー(Herfried Münkler)〈第6章〉 1951年生まれ。ベルリン・フンボルト大学教授(政治理論)。近著にDer Dreissigjährige Krieg.Europaische Katastrophe, Deutsches Trauma. 1618-1648, Berlin: Rowohlt, 2017.
エレーヌ・ミアル=ドラクロワ(Hélène Miard-Delacroix)〈第7章〉 1959年生まれ。パリ=ソルボンヌ大学教授(ドイツ現代史)。近著にWilly Brandt: Life of a Statesman, London/New York: I.B. Tauris, 2016.
【監訳者】 板橋拓己(いたばし たくみ) 1978年生まれ。成蹊大学法学部教授。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。専門は国際政治史。『黒いヨーロッパ――ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラント)」主義、1925〜1965年』(吉田書店、2016年、日本ドイツ学会奨励賞受賞)、ほか。
小野寺拓也(おのでら たくや) 1975年生まれ。東京外国語大学世界言語社会教育センター特任講師。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はドイツ現代史。『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』(山川出版社、2012年)、ほか。
【訳者】 今井宏昌(いまい ひろまさ) 1987年生まれ。九州大学大学院人文科学研究院講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。専門はドイツ現代史。『暴力の経験史――第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験 1918〜1923』(法律文化社、2016年)、ほか。
北村厚(きたむら あつし) 1975年生まれ。神戸学院大学人文学部准教授。九州大学大学院法学府博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。専門はヴァイマル期からナチ期にかけてのドイツ外交史。『ヴァイマル共和国のヨーロッパ統合構想――中欧から拡大する道』(ミネルヴァ書房、2014年、日本ドイツ学会奨励賞受賞)、ほか。
狐塚祐矢(こづか ゆうや) 1997年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程。成蹊大学法学部政治学科卒業。専門は欧州研究、ドイツ現代政治史。
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