少女と花園を愛す、自由のきら星―― 荷風はなぜ新たな女性像を描きつづけたのか。
近代日本文学のゆたかな未知の沃野として女性に注目し、さまざまな物語のなかに描いてきた永井荷風。知的な女性芸術家の出現に熱く期待した明治の若き荷風のあけぼのを、荷風の活躍を庇護した森鷗外、女性芸術を愛した上田敏、そして恋の詩人・与謝野晶子を織り交ぜて論じ、「おとめ」の文学史を新たにつむぐ。
『毎日新聞』 2023年12月16日「今週の本棚」「2023この3冊(上)」(14面・読書面)にて川本三郎氏(評論家)に選んでいただきました。
『毎日新聞』 2023年12月9日「今週の本棚」(12面・読書面)に書評が掲載されました。評者は、川本三郎氏(評論家)です。
『読売新聞』 2023年11月19日(24面・読書面)に掲載されました。評者は苅部直氏(政治学者・東京大学教授)です。 本文はこちら
第一部 荷風の少女絶唱、平和礼賛 1 なまいき、熱血、永井荷風 2 十九歳、花籠を引っさげて 3 荒野にリボンー姉たちの戦い 4 ばら子登場、園子誕生 5 快くキッスしてください! 6 英語は彼女たちの翼 7 ロザリン 8 女ふたりで朝から熱燗 9 月の橋を渡るひと 10 ラストローズにおとめの涙 11 おとめ座の荷風 12 浮沈――荷風の風と共に去りぬ
第二部 荷風につらなるスターたち 13 リン、ビン、ソウ――海潮音を聴く三きょうだい 14 父から娘への愛の ……
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持田叙子(もちだ・のぶこ) 近代文学研究者。慶應義塾大学大学院修士課程修了、國學院大學大学院博士課程単位取得退学。1995年より2000年まで『折口信夫全集』(中央公論社)の編集・解説を担当する。2008年春に世田谷文学館で催された「永井荷風のシングル・シンプルライフ」展の監修を務める。著書に、『朝寝の荷風』(人文書院、2005年)、『荷風へ、ようこそ』(慶應義塾大学出版会、2009年、第31回サントリー学芸賞)、『永井荷風の生活革命』(岩波書店、2009年)、『折口信夫 秘恋の道』(慶應義塾大学出版会、2018年)などがある。
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