「別の未来」は手にできるのか?
ローマクラブの『成長の限界』から50年、世界経済は新たな局面に突入している。地球風船は永遠の繁栄が続くという幻想を極限まで膨らませ、いつ破裂してもおかしくない緊張の中を漂っている。現状はもはや維持できないのか? 新しい秩序はどう形成されるのか? 著名エコノミストが経済・金融の視点からのみならず、政治学・歴史学・心理学などの知見も交えて現況を怜悧に分析し、迫り来る次の世界を展望する、読み応え十分の一書!
▼経済・金融分野でわが国きっての実力派エコノミストが満を持して書き下ろした本格経済解説書! ▼単なる時事解説とは一線を画す、深い洞察を伴った現代経済社会分析。
日本経済論、国際経済論、経済政策論、金融政策論、財政金融論、米国経済論から最近はチャイニーズ・エコノミック・レポートまで、著者の専門守備範囲は多岐に亘る。本書は、これら膨大な知識と著者独自の世界観を踏まえ、21世紀のグローバル金融・経済と日本の現状を考察し、将来に向けて展望する、大局観を伴ったスケールの大きな解説書。 著者は日経ヴェリタスの「債券・為替アナリスト エコノミスト人気調査」エコノミスト部門で数多く(2021,22年は2年連続)首位に選出されるなど、経済論壇では著名な人気エコノミスト。
『週刊エコノミスト』 2024年8月27日・9月3日合併号「特集 通貨を学ぶ本 わたしのこの1冊」(p. 92)に挙げていただきました。評者は、長谷川克之氏(東京女子大学教授)です。
『日経ヴェリタス』 2024年8月11日号「夏の読書 プロが薦める3冊」に掲載されました。選者は、前原誠二氏(衆議院議員)です。
毎日新聞 2023年 6月1日朝刊(オピニオン面、11面) Scope「ポストコロナの経済」(木村旬氏、論説委員)で紹介されました。
はじめに
第1章 第三次グローバリゼーションの光と影
1 ホワイトカラーのオフショアリングが始まったのか 2 権威主義的資本主義 vs リベラル能力資本主義 3 ICT革命と際限のない人類の欲望の行方
第2章 分配の歪みがもたらす低成長と低金利
1 債務頼みの景気回復が招く自然利子率の低下 2 常態化する「資本収益率>成長率>市場金利」の帰結 3 経済成長と社会包摂の両立 4 テクノロジー封建主義の打破
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
河野龍太郎(こうの・りゅうたろう) 1964年愛媛県生まれ。87年、横浜国立大学経済学部卒業、住友銀行(現・三井住友銀行)入行。89年、大和投資顧問(現・三井住友DSアセットマネジメント)へ移籍。97年、第一生命経済研究所へ移籍、上席主任研究員。2000年、BNPパリバ証券に移籍。現在、経済調査本部長、チーフエコノミスト。 財務省財政制度等審議会、東日本大震災復興構想会議検討部会、資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本問題委員会、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会、内閣府行政刷新会議ワーキンググループなど多くの審議会で委員を務める。日経ヴェリタスのエコノミスト人気調査で2022年までに9回、首位に選ばれる。 主著 『円安再生』東洋経済新報社、2003年 クルーグマン『通貨政策の経済学』共訳、東洋経済新報社、1998年 ブラインダー『金融政策の理論と実践』共訳、東洋経済新報社、1999年 『金融緩和の罠』共著、集英社、2013年
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