僕の大統領は黒人だった 上
バラク・オバマとアメリカの8年
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▼アメリカ初の黒人大統領 バラク・オバマの軌跡
アフリカ系アメリカ人が辿った過酷な歴史を踏まえながら、 アメリカ初の黒人大統領バラク・オバマと黒人社会が歩んだ8年の軌跡を丁寧に辿り、 圧倒的な賛辞を集めた全米ベストセラー。
奴隷制への賠償を求め、アメリカを震撼させた「賠償請求訴訟」を収録。
本書の原題We Were Eight Years in Power(「われわれは8年間政権の座にあった」)とは、南北戦争後の再建期にサウスカロライナ州でアフリカ系アメリカ人による統治が成果を挙げたことを指して、著名な黒人政治家トマス・ミラーが後の1895年に述べた言葉である。 再建期が終わる1877年以降、南部では相次いで有色人種に対する分離政策(ジム・クロウ法)が立法化され、奴隷制度の復活こそなかったものの、黒人への人種差別はふたたび強化される。この差別状況は1964年の公民権法成立以降もなお続いていく。タナハシ・コーツは、そうして現代まで続くアメリカの悪夢を振り払う方法を模索する。
アフリカ系アメリカ人が辿った過酷な歴史を踏まえながら、 アメリカ初の黒人大統領バラク・オバマと黒人社会が歩んだ8年の軌跡を丁寧に辿り、 圧倒的な賛辞を集めた全米ベストセラー。
『朝日新聞』 2024年11月9日「ひもとく「米国 民主主義の行方」(21面)にて紹介されました。評者は、三牧聖子氏(同志社大学准教授・国際政治)です。 本文はこちら
図書新聞 第3487号(2021年3月13日)に掲載されました(1面)。評者は石川敬史氏(帝京大学文学部史学科教授)です。
朝日新聞 2021年1月16日(18面・読書面)に書評が掲載されました。評者は生井英考氏(立教大学アメリカ研究所所員)です。 本文はこちら
序 章 黒人による良き統治について
第1章 2008年 ノート 「これだから俺たちは白人に負けたんだ」 ――ビル・コスビーの大胆な黒人保守主義
第2章 2009年 ノート アメリカの娘
第3章 2010年 ノート 南北戦争を研究する黒人がほとんどいないのはなぜか?
第4章 2011年 ノート マルコムXの遺産 ――なぜ彼のヴィジョンがバラク・オバマのなかで生き続けているのか
第5章 2012年 ノート 黒人大統領の ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] タナハシ・コーツ(Ta-Nehisi Coates) 1975年にメリーランド州ボルチモアで生まれる。1993年ハワード大学入学(中退)。これまで3冊のノンフィクションと1冊の小説(The Water Dancer, 2019)を発表しているが、本書を含めて3冊のノンフィクションはすべて翻訳されている。大ベストセラーとなった『世界と僕のあいだに』(原著2015年)で全米図書賞とカーカス賞を受賞し、コーツ自身もマッカーサー基金の天才奨学金を受ける。自伝的な作品に『美しき闘争』(原著2005年)がある。ほぼ10年間定期寄稿者だった『アトランティック』誌を中心に、活発な執筆活動を続けている。本書第6章の「賠償請求訴訟」(2014年、同誌に発表)で、ジョージ・ポーク賞、ストウ賞などを受賞し、アメリカを代表するジャーナリストと目されるようになる。また、マーベル・コミックスの脚本も手がけている。その発言が常に注目を集める有力なオピニオンリーダーである。
[訳者] 池田年穂(いけだ としほ) 1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。歴史学者。翻訳家。タナハシ・コーツの紹介者として『世界と僕のあいだに』(2017年)が、ティモシー・スナイダーの紹介者として『自由なき世界』『暴政』『ブラックアース』『赤い大公』(2020年、2017年、2016年、2014年)がある。他に、パメラ・ロトナー・サカモト著『黒い雨に撃たれて』(2020年)、ピーター・ポマランツェフ著『プーチンのユートピア』(2018年)、ジェームズ・ウォルヴィン著『奴隷制を生きた男たち』(2010年)など多数の訳書がある。
長岡真吾(ながおか しんご) 1961年生まれ。福岡女子大学国際文理学部教授。主著に、『英語圏文学』(共編著、2002年、人文書院)、『亡霊のアメリカ文学』(共著、国文社、2012年)、『帝国と文化』(共著、春風社、2016年)、『アメリカ先住民を知るための62章』(共著、明石書店、2016年)等がある。
矢倉喬士(やぐら たかし) 1985年生まれ。西南学院大学助教。大阪大学大学院言語文化研究科博士課程修了。博士(言語文化学)。論文に、“Exhibition, Serial Killer, Angel: Human Garbage and Its Metamorphosis in Don DeLillo's Underworld”(2015年度日本アメリカ文学会関西支部奨励賞受賞論文)等がある。
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