「いま何て言ったか聞いたか。 マルコムが死んだんだ。」
ブラック・ナショナリストの父ポール・コーツと、 自らの身を守って生きる、息子タナハシ。 クラックと銃に溢れ、一瞬にして奈落に落ちるアメリカ社会の 容赦ない現実を力強く生き抜く、父と息子の物語。
ヒップホップやラップのリリックを駆使した、疾走感溢れる文体、 自由の国アメリカの不自由さを冷徹に抉り出す、クールな批評精神――。
『世界と僕のあいだに』で全米図書賞を受賞し、 現代の黒人社会を代表する知識人と目される、 タナハシ・コーツの衝撃のデビュー作。


三田文学 2018年春季号「書評」(P.404)に書評が掲載されました。評者は巽孝之氏です。
河北新報 2017年8月20日読書面(20面)にて紹介されました。
週刊読書人 2017年8月18日(5面)にて書評が掲載されました。評者は、諏訪部浩一氏(東京大学准教授・アメリカ文学)

第1章 あるところに、道を誤った男の子がいた…… 第2章 たとえジャズかクワイエット・ストームだとしても…… 第3章 アフリカ登場、みんな仰天する 第4章 僕の名前を言えない人たちに、教える 第5章 デイジーの時代、到来する 第6章 重力で浮かぶ、スランプはいちどもない…… 第7章 バンブー・ピアス、少なくともふたつ 第8章 コンドームを使って、ビールを少しずつ
訳注 訳者解説 奥田暁代
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] タナハシ・コーツ(Ta-Nehisi Coates) 作家、ジャーナリスト。Atlantic 誌に定期的に特集記事を寄稿するほかブログ記事も執筆する。Village Voice 誌、Time 誌の記者を経験した。メリーランド州ボルティモア出身。父は元ブラック・パンサー党員、出版社Black Classic Pressを設立したW. Paul Coates。2008年に半生を描いた自叙伝The Beautiful Struggle: A Father, Two Sons, and an Unlikely Road to Manhood を出版。2015年に発表したノンフィクションBetween the World and Me はベストセラーとなり、同年の全米図書賞を受賞している。2016年からマーベルコミックスの新シリーズBlack Panther の原作を手がけている。
[訳者] 奥田暁代(おくだ あきよ) 慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。ノースカロライナ大学チャペルヒル校英文科大学院修士課程/博士課程修了。2005年博士号取得。アフリカ系アメリカ文学専攻。著書に『アメリカ大統領と南部――合衆国史の光と影』(慶應義塾大学出版会)、共著に『物語のゆらめき――アメリカン・ナラティヴの意識史』(南雲堂)、『多文化主義で読む英米文学――新しいイズムによる文学の理解』(ミネルヴァ書房)、『記憶を紡ぐアメリカ――分裂の危機を超えて』(慶應義塾大学出版会)などがある。
|