ブラジル黒人運動とアフリカ
ブラック・ディアスポラが父祖の地に向けてきたまなざし
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▼アフリカをめぐる「黒人大国」のジレンマ
▼米州最大の黒人人口を擁するブラジル。 黒人たちは逆境との闘いのなかで父祖の地アフリカをどう位置づけてきたのか?
▼アフリカに活路や着想を求める肯定的姿勢と、 敬遠し封印しようとする否定的態度との交錯は、 時代の移り変わりのみならず、ブラジル固有の状況の反映でもあった。
19世紀〜1970年代のブラジルで黒人がみせてきた行動・言論・思想の断面から、 「黒人大国」の抱えるジレンマを読み解く意欲作。

『アジア研究』(アジア経済研究所) Vol.61, No.4(p.73〜p.76)に書評が掲載されました。評者は北森絵里氏(天理大学国際学部教授)です。
図書新聞 第3428号(2019年12月21日)「2019年下半期読書アンケート」(3面)に掲載されました。評者は中村隆之氏(フランス文学)です。
音楽雑誌『ラティーナ』 2019年9月号に書評が掲載されました。評者は岸和田仁氏です。

序章 ブラック・ディアスポラ研究とブラジル 第一章 一九世紀におけるブラジル黒人のアフリカ「帰還」 ――「帰郷か、解放か」をこえて 第二章 二〇世紀前半のサンパウロにおける黒人運動の性格と動態 第三章 二〇世紀前半の黒人新聞のなかのアフリカとブラック・ディアスポラ ――「アフリカ性」の忌避 第四章 二〇世紀前半の黒人新聞の言説にみる人種とネイション ――混血のブラジル人への執着 第五章 ブラック・アトランティックのなかのブラジル ――アブディアス・ ……
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矢澤 達宏(やざわ たつひろ) 1967年生まれ。上智大学外国語学部ポルトガル語学科教授。 慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。 博士(法学、慶應義塾大学)。 主要著作:『国際学入門』(共編著、創文社、2004)、『世界の中のアフリカ―国家建設の歩みと国際社会』(共編著、上智大学出版、2013)、『利益誘導政治―国際比較とメカニズム』(共著、芦書房、2004)、『二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成―南北アメリカ・カリブ・アフリカからの問い』(共著、平凡社、2011)、『ポルトガル語圏世界への50のとびら』(共著、上智大学出版、2015)、ほか。
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