サウダーヂ=郷愁、とは何か。 ▼20世紀ブラジル・モダニズムを代表し、リオデジャネイロとゆかりの深い4人の詩人、マヌエル・バンディラ、カルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂ、ヴィニシウス・ヂ・モライス、セシリア・メイレーリスの詩作品を、哲学や小説を含む西洋近代の思考の変遷に照らしつつ明らかにする。 ▼西欧文学との影響関係の分析を通して、リオデジャネイロという都市に流れる〈時〉、ブラジル、ポルトガル、リオの詩人や人々にとって神聖な言葉である、サウダーヂ=郷愁の意味を読み解く。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
 本書著者による寄稿「ボサノヴァが生まれた海の街へ」を掲載しました。
本書著者の福嶋伸洋氏による連載のご案内 毎日新聞 「新世紀 世界文学ナビ」


序 リオデジャネイロに降る雪
第1章 魔法使いの国の掟 マヌエル・バンデイラと幼年時代 T 至福の時は忘却のなかからよみがえる U 詩人たちは意のままに幼年時代を見出そうとする V 詩は魔法を言葉によって失い言葉によって取り戻す W もっとも偉大な魔法使いはみずからをも欺く魔法使いである
楽園の日常
第2章 儚いものと永遠のもの セシーリア・メイレーリスと過ぎ去る女 T 絶えず逃げ去ろうとするものが永遠と出会う U 詩は一瞬を永遠のものに ……
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福嶋伸洋(Fukushima Nobuhiro) 群馬県立女子大学、放送大学非常勤講師 1978年、新潟県生まれ。2001年、東京大学文学部西洋近代語・近代文学科卒業。東京外国語大学大学院博士前期課程在学中の2003年、リオデジャネイロに一年間滞在。2008年、東京外国語大学大学院博士後期課程単位取得退学。2009年博士号取得(学術)。
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