音楽がなければ人生は過ち?
アメリカの気鋭の研究者による、音楽の哲学および芸術の哲学の入門書。 単なる音と音楽の違い、音楽鑑賞に必要な知識、音楽と情動の関係、音楽経験がもたらすスピリチュアリティなど、古くから哲学・美学で議論されてきた問題をとりあげ、音楽を哲学的に考察する。 ベートーヴェン、ハイドン、ビートルズ、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾン、マイルス・デイヴィスやジャコ・パストリアス、ラヴィ・シャンカル――クラシックからポピュラー音楽まで、豊富な例とともに音楽の本質に迫る。
台東鳥瞰(台東区文化産業観光部文化振興課発行) vol. 05(2020 AUTUMN)「特集 音楽鑑賞”再”入門!」(p.12)にて紹介されました。 本文はこちら
図書新聞 第3409号(2019年7月27日号)4面に書評が掲載されました。評者は田邉健太郎氏(立命館大学先端総合学術研究科研究指導助手・美学芸術学)です。
西日本新聞 2019年5月18日読書面(11面)にて紹介されました。
序文
第1章 耳に触れる以上のもの──音楽と芸術 1 鳥の歌 2 音楽であるもの/音楽的なもの 3 「芸術」に関して 4 音楽と文化 5 美的側面 6 文化、コミュニケーション、スタイル
第2章 言葉とともに/言葉なしに──理解して聴く 1 教養なき知覚 2 純粋主義 3 言語と思考の交わり 4 命題知と技能知 5 音楽の四つの側面 6 歴史、スタイル、美的性質 7 芸術としての音楽、再考
第3章 音楽と情動 1 しるしと ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 セオドア・グレイシック(Theodore Gracyk) 1984年にカリフォルニア大学デービス校で哲学の博士号を取得。1986年よりミネソタ州立大学ムーアヘッド校の哲学部・助教授、1991年より同校の准教授を経て、1997年から同校の教授。2013年よりThe Journal of Aesthetics and Art Criticism の共同編集長、2014年よりBritish Journal of Aesthetics の編集委員を務める。主な専門は音楽美学、芸術哲学、近代哲学史。単著は本書の他に、Rhythm and Noise (Duke University Press, 1996)、I Wanna Be Me (Temple University Press, 2001)、Listening to Popular Music (The University of Michigan Press, 2007)、The Philosophy of Art (Polity, 2011)。
【訳者】 源河 亨(げんか とおる) 2016年に慶應義塾大学にて博士(哲学)を取得。現在は、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)、慶應義塾大学および日本大学芸術学部非常勤講師。専門は心の哲学、美学。著作に『知覚と判断の境界線──「知覚の哲学」基本と応用』(慶應義塾大学出版会、2017年)。訳書にジェシー・プリンツ『はらわたが煮えくりかえる──情動の身体知覚説』(勁草書房、2016年)ほか。論文に「音楽は悲しみをもたらすか──キヴィーの音楽情動について」(『美学』251号、美学会、2017年)ほか。
木下 頌子(きのした しょうこ) 桐朋学園大学音楽学部卒。2018年に慶應義塾大学文学研究科博士課程を単位取得退学し、現在は同大学通信教育部非常勤講師。専門は言語哲学、哲学方法論。論文に、「デイヴィドソンの三角測量的外在主義に基づく反懐疑論的論証について」(『哲學』第133号、三田哲学会、2014年)ほか。
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