この一冊で「知覚の哲学」の全貌がわかる
「知覚の哲学」の基本トピックを整理・紹介しつつ、心理学・認知科学・美学などの知見を交え、「見ることと考えることの境界線」を探る、現代哲学の最先端。
20世紀はじめにセンスデータ説によって興隆をみせた「知覚の哲学」。一度は忘れ去られたこの領域が一世紀を経て、意識の自然化の問題に注目が集まったことにより、新たに息を吹き返した。 分析哲学、現象学、心の哲学、美学、認知科学、認識論や存在論を総動員した最新の「知覚の哲学」から、事物の種類、他者の情動、音の不在、美的性質など、一見すると「理解」「判断」されると思われるものが、実は知覚されうる可能性を探る、野心的な試み。
まえがき
序論 見ればわかる?
第1章 知覚可能性の問題 1 問題の定式化 2 分析哲学・現象学・経験科学 3 この問題を問う意義はあるのか 4 知覚理論から存在論と認識論へ
第2章 知覚の哲学の基本 1 幻覚論法とセンスデータ説 2 直接実在論としての表象説 3 現象的性格と透明性 4 その他の基本事項――関係説・概念主義
第3章 種性質の知覚 1 知覚とカテゴライズ 2 本物と偽物は見分けられない 3 知覚学習と現象的対比 ……
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源河 亨(げんか とおる) 1985年生まれ。2015年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(哲学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)、慶應義塾大学非常勤講師。専門は、心の哲学、分析美学。翻訳に、ウィリアム・フィッシュ『知覚の哲学入門』(勁草書房、2014年、共訳)、ジェシー・プリンツ『はらわたが煮えくりかえる』(勁草書房、2016年)など。著作に、小熊正久・清塚邦彦(編著)『画像と知覚の哲学――現象学と分析哲学からの接近』(東信堂、2015年、共著)など。
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