なぜフィクションか?
ごっこ遊びからバーチャルリアリティまで
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なぜ人はフィクションを楽しみ、忌避するのか
フランスを代表する文学理論家・美学研究者であるシェフェールが一九九九年に発表した本書は、その後のフィクション理論に多大な影響を与えた。 「なぜ」フィクションかと問うことは、「なぜ」人間がフィクションに身をゆだね、喜びを感じるのか、あるいは逆に、ときには「なぜ」フィクションを忌避するのかと問うことを意味する。 物語論、哲学、人類学、心理学、認知科学等の観点から、文学や映画からビデオゲームにいたるあらゆるフィクションの形式を分析し、フィクションを人類に普遍的に備わる「心的能力」としてとらえなおす。

図書新聞 第3399号(2019年5月18日号)1面に書評が掲載されました。評者は山本貴光氏(文筆家・ゲーム作家)です。
週刊読書人 2019年4月5日(第3284号)に書評が掲載されました。評者は、大浦康介氏(作家)です。 本文はこちら

序論
第一章 模倣なんかこわくない
1 模倣する狼からバーチャルの狼へ 2 プラトンT――「する」から「あたかも〜のようにする」へ 3 プラトンII――模倣することと認識すること 4 遊戯的模倣の二つの系譜 5 プラトン、それでもなお
第二章 ミメーシス――模倣する、装う、表象する、認識する
1 古くからの混乱について 2 ミメティスム 3 類似から模倣へ 4 模倣から偽装へ 5 表象からミメーシス的表象へ 6 認識手段として ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 ジャン=マリー・シェフェール(Jean-Marie Schaeffer) 1952年生まれ。フランス国立科学研究センターディレクター、社会科学高等研究院研究ディレクター。専門は美学、芸術理論。 著作にLa Fin de l'exception humaine (Gallimard, 2007), L'Expérience esthétique (Gallimard, 2015)など多数。
【訳者】 久保 昭博(くぼ あきひろ) 1973年生まれ。関西学院大学教授。 東京大学大学院総合文化研究科満期退学。パリ第三大学博士課程修了、文学博士。専門は文学理論、フランス文学。 著作に『表象の傷──第一次世界大戦からみるフランス文学史』(人文書院、2011)、訳書にレーモン・クノー『地下鉄のザジ』(水声社、2011)など。
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