▼政治においては、 騙された、というのは 言い訳にはならない。 ――レシェク・コワコフスキ
ファシストは日々の暮らしのささやかな〈真実〉を軽蔑し、 新しい宗教のように響き渡る〈スローガン〉を愛し、 歴史やジャーナリズムよりも、つくられた〈神話〉を好んだ。 事実を放棄するのは、〈自由〉を放棄することと同じだ。
ファシズム前夜―― いまこそ、本を積み上げよう。〈真実〉があるのを信じよう。 歴史の教訓に学ぼう。
気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する 圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。
解説 = 国末憲人


『ニッキン』 2022年7月8日付「推薦図書・かけがえのない日常のために」に書評が掲載されました。榎本真樹氏(三菱UFJニコス副社長)です。
読売新聞 2020年9月13日(6面)言論面「あすへの考」【「帝国以後」のアメリカ】・【「再び偉大な国」 幻想と弊害】で、著者のインタビュー記事が掲載されました。 本文はこちら(有料記事です)
毎日新聞 2018年6月19日(夕刊)「読書日記」で書評が掲載されました。評者は、津村記久子氏(作家)です。

プロローグ◆歴史と暴政 1 忖度による服従はするな 2 組織や制度を守れ 3 一党独裁国家に気をつけよ 4 シンボルに責任を持て 5 職業倫理を忘れるな 6 準軍事組織には警戒せよ 7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ 8 自分の意志を貫け 9 自分の言葉を大切にしよう 10 真実があるのを信ぜよ 11 自分で調べよ 12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 14 きちんとした私生活を持とう 15 大義名分 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] ティモシー・スナイダー(Timothy Snyder) 1969年オハイオ州生まれ。イェール大学歴史学部リチャード・レヴィン講座教授。オクスフォード大学でPh.D.を取得。専攻は中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究。邦訳されている著書として『赤い大公――ハプスブルク家と東欧の20世紀』『ブラックアース――ホロコーストの歴史と警告』(共に慶應義塾大学出版会、2014年、2016年)、『ブラッドランド――ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(2015年)、インタビュアーを務めたトニー・ジャットの遺著『20世紀を考える』(2015年)がある。11のヨーロッパ系言語(とりわけスラヴ系言語)を駆使することで、ホロコースト研究に新しい地平を拓いた。ハンナ・アーレント賞をはじめ多彩な受賞歴を誇る。有力紙誌への寄稿も数多い。
[訳者] 池田年穂(いけだ としほ) 1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。ティモシー・スナイダーの日本における紹介者として、本書のほかに『赤い大公――ハプスブルク家と東欧の20世紀』『ブラックアース――ホロコーストの歴史と警告』(慶應義塾大学出版会、2014年、2016年)を翻訳している。ほかにタナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』(同、2017年)、マーク・マゾワー『国連と帝国――世界秩序をめぐる攻防の20世紀』(同、2015年)、アダム・シュレイガー『日系人を救った政治家ラルフ・カー』(水声社、2013年)など多数の訳書がある。
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