「領土」としてのメディア
ディアスポラの母国メディア利用
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▼異国に住まう「ディアスポラ」 ―― 彼らの母国が表出する「場所」が、メディアの地平に見えてくる。
孤独・郷愁・優越・希望 ―― 異郷にあるなら誰しもが、アイデンティティを揺さぶられずにはいられない。複雑多様な母国への想いは、ごく何気ない、メディアの利用に託されているのだ ―― ディアスポラの日常から眺望する、グローバル化の此岸。
| | | |  | | 慶應義塾大学三田哲学会叢書 | | | | | | | 三田哲学会は創立100年を機に、専門的な研究成果を「生きられる知」として伝え、 公共の中に行き渡らせる媒体として本叢書の発刊を企図した。 シリーズ名は、ars incognita アルス インコグニタ。 ラテン語で「未知の技法」を意味する。 単なる知識の獲得ではなく、新たな「生きる技法としての知」を作り出すという精神を表現している。
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はじめに
第1章 母国メディアの利用動機と影響
第2章 韓国系ディアスポラの韓国メディア利用 1.聞き取り調査の概要 2.バンクーバーにおける韓国メディアの状況 3.韓国メディアの利用状況 4.母国への関心とディアスポラとしての自己承認 5.ノスタルジーの慰撫 6.娯楽と逃避、母国への憧れ 7.母国の時間と記憶
第3章 日系ディアスポラの日本メディア利用 1.バンクーバーにおける日本メディアの状況 2.日本メディアの利用状況 3.日本の ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
李光鎬(イー ゴアンホ) 1963年生。慶應義塾大学文学部教授。 1994年、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門はコミュニケーション学と社会心理学。主な著書に『現代社会心理学 ―― 心理・行動・社会』(共著、慶應義塾大学出版会、2004年)、『テレビニュースの世界像』(共著、勁草書房、2007年)、『テレビという記憶』(共著、新曜社、2013年)ほか。
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