▼「平和利用」と「軍事利用」の線引きは可能なのか? ▼世界で唯一の被爆国を襲った「フクシマ」は、いまわれわれに「核」の意味を再考するよう迫っている。
核兵器の拡散や原子力発電所の建設増加など、アジア諸国における「核」の利用を、「フクシマ」の教訓や影響という視点から多角的に考察するとともに、私たちが今後どのように「核」と向き合うべきかを考える手がかりを提供する。

まえがき アジアの「核」と私たち――フクシマを見つめながら 高橋 伸夫
日本における核の「平和利用」論の展開 布川 弘 はじめに――「フクシマ」から学ぶもの / 1 放射能汚染への関心の低さと核武装 の可能性 / 2 「平和利用」論の展開 / おわりに
韓国から見たフクシマと「核」――震災報道と原発への再認識 福井 讓 はじめに / 1 「フクシマ」はどのように伝えられたか / 2 「フクシマ」はどのよう に捉えられるようになったか / 3 「フクシマ」がどのよ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
(掲載順) 【編者】 高橋 伸夫(たかはし のぶお) 慶應義塾大学法学部教授・東アジア研究所所長 現代中国政治史 1960年生まれ、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士。 主要著作に『党と農民――中国農民革命の再検討』(研文出版、2006年)など。
【執筆者】 布川 弘(ぬのかわ ひろし) 広島大学大学院総合科学研究科教授 日本史学 1958年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科単位取得退学。 主要著作に『神戸における都市「下層社会」の形成と構造』(兵庫部落問題研究所、1993年)など。
福井 讓(ふくい ゆずる) 仁済大学校人文社会科学大学助教授(執筆当時。2014年4月より国際医療福祉大学総合教育センター准教授) 朝鮮近現代史・在日朝鮮人史 1971年生まれ。広島大学大学院国際協力研究科博士課程後期修了。博士(学術)。 主要著作に『在日朝鮮人警察関係資料(在日朝鮮人資料叢書7)』 全3巻(編纂、緑蔭書房、2013年)など。
福原 裕二(ふくはら ゆうじ) 島根県立大学総合政策学部准教授 国際関係史・朝鮮半島をめぐる国際関係 1971年生まれ。広島大学大学院国際協力研究科博士課程後期修了。 主要著作に『たけしまに暮らした日本人たち――欝陵島の近代史』(風響社、2013年)など。
飯塚 央子(いいづか ひさこ) 中国政治研究者 中国の国際関係史 1964年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。 主要著作に『核拡散問題とアジア――核抑止論を超えて』(共編著、国際書院、2009年)など。
堀井 伸浩(ほりい のぶひろ) 九州大学大学院経済学研究院准教授 産業経済論、中国エネルギー・環境産業分析 1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了。 主要著作に『中国の持続可能な成長――資源・環境制約の克服は可能か?』(編著、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2010年)など。
近藤 高史(こんどう たかふみ) 近畿大学経済学部非常勤講師 南アジア現代史 1973年生まれ。広島大学大学院国際協力研究科博士課程後期単位取得退学。博士(学術)。 主要著作に『核拡散問題とアジア――核抑止論を超えて』(共著、国際書院、2009年)など。
吉村 慎太郎(よしむら しんたろう) 広島大学大学院総合科学研究科教授 イラン近現代史 1955年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。 主要著作に『イラン現代史――従属と抵抗の100年』(有志舎、2011年)など。
宇野 昌樹(うの まさき) 広島市立大学国際学部教授 文化人類学・中東地域研究 1952年生まれ。フランス社会科学高等研究院博士後期課程DEA取得、のち退学。 主要著作に『イスラーム・ドルーズ派――イスラーム少数派からみた中東社会』(第三書館、1996年)など。
角田 安正(つのだ やすまさ) 防衛大学校総合教育学群外国語教育室教授 ロシア地域研究 1958年生まれ。東京外国語大学大学院地域研究研究科修士課程修了。 主要著作に『国家と革命』(翻訳、レーニン著、講談社学術文庫、2011年)など。
小沼 通二(こぬま みちじ) 慶應義塾大学名誉教授 物理学(素粒子論、物理学史)、科学と社会 1931年生まれ。東京大学大学院数物系研究科博士課程修了。理学博士。 主要著作に『現代物理学』(放送大学教育振興会、1993年、改訂1997年)など。
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