Language and Magic
Studies in the Magical Function of Speech
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言語の持つ魔術的要素という魅力的な問題に世界的言語哲学者が挑む。 ▼1956年に、慶應義塾大学言語文化研究所から刊行された、井筒俊彦初の英文著作を、『井筒俊彦英文著作集』シリーズの第一弾として索引を付して復刊。 ▼ロシア・フォーマリズムのローマン・ヤコブセンによって見いだされた画期的な言語論。言語の機能を、論理と魔術の二つの面の対立、葛藤という従来試みられなかった新しい角度から捉え、言語の忘れ去られた魔術性が、いかに形を変えて現代に生き続けているかを解明する。(英文)
PREFACE
Chapter I INTRODUCTORY―Between Magic and Logic―
Chapter I II THE MYTHICAL VIEW OF LANGUAGE
Chapter I III THE SACRED BREATH
Chapter I IV VERBAL MAGIC IN THE MIDST OF MODERN CIVILIZATION
Chapter I V THE FUNDAMENTAL MAGIC OF ……
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井筒俊彦 Izutsu Toshihiko 1914(大正3)年、東京都生まれ。1931(昭和6)年、慶應義塾大学経済学部予科に入学。のち、西脇順三郎が教鞭をとる英文科へ転進。1937(昭和12)年、慶應義塾大学文学部を卒業し、同大学文学部英文科の助手となる。1950(昭和25)年、同大学文学部助教授を経て、1954(昭和29)年、同文学部大学教授に就任。ギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学、比較言語学などの授業を担当した。1969(昭和44)年、カナダのマッギル大学の教授、 1975(昭和50)年、イラン王立哲学研究所教授を歴任した。 1979(昭和54)年、イラン革命のためテヘランを去り、その後は研究の場を日本に移し、著作や論文の執筆、講演などに勤しんだ。 1967(昭和42)年からは、鈴木大拙に次ぐ2人目の日本人として、スイスで開催される国際会議、エラノス会議へ参加し、以後12回にわたって東洋哲学に関する講演を行った。 主な著作に、『コーラン』(翻訳、上中下、岩波文庫、1957-58[昭和32-33]年)、『イスラーム文化』(岩波書店、1981[昭和56]年)、『意識と本質』(岩波書店、1983[昭和58]年)など多数。『井筒俊彦著作集』(全11巻別巻1、中央公論社、1991-93[平成3-5]年)がある。また、1956(昭和31)年に刊行されたLanguage and Magicを始めとして英文による著作を多数執筆。Sufism and Taoism: A Comparative Study of Key Philosophical Concepts、Ethico-Religious Concepts in the Qur'an、Toward a Philosophy of Zen Buddhismなど一連の英文著作で世界的な評価を受けた。 1982(昭和57)年、日本学士院会員。同年、毎日出版文化賞受賞、朝日賞受賞。1993(平成5)年没。 没後、The Izutsu Library Series on Oriental Philosophy(井筒ライブラリー・東洋哲学)として東洋の思想を欧米の言語によって紹介するシリーズ(欧文)が、慶應義塾大学出版会から 2001(平成13)年より刊行されている。
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