衰退は必然か? ▼慶應義塾が所蔵する「日本石炭産業関連資料コレクション(JCIC)」をはじめ豊富な一次資料を丹念に追いかけ、企業の経営・労務情報など内部資料から石炭産業の衰退過程を克明に浮き上がらせる第一級の研究。 ▼北海道を舞台に、基幹産業から衰退産業へと急速に変容していく日本の石炭産業について、政府の経済・産業政策、地域振興政策、企業の経営戦略・労務対策、そして地元自治体・社会の対応など、多様な局面が複雑に絡み合う石炭問題の特徴を的確にとらえ、総合的な分析を展開する。 ▼エネルギー政策の重大局面を迎える現在の日本において、石炭産業をみずからの意思で失った理由とその意味とを歴史的潮流のなかから問い直す。
経営史学 第51巻第3号 2016年12月に掲載されました。評者は永江眞夫氏(福岡大学経済学部教授)です。
社会経済史学 Vol. 80, No. 2(2014年8月)に書評(141頁)が掲載されました。評者は宮下弘美氏です。
日本歴史 789号(2014年2月)に掲載されました。評者は白木沢旭児 氏(北海道大学大学院文学研究科教授)です。
序 章 日本の石炭産業――重要産業から衰退産業へ 牛島 利明・杉山 伸也
はじめに――石炭産業史研究の課題 1 基幹エネルギー産業としての石炭産業 (1) 1次エネルギー供給量の推移 (2) 石炭産業の重要性と生産量 (3) 石炭の産業別需要量 2 戦前期〜戦後復興期の石炭産業 (1) 戦前期の石炭産業 (2) 戦時統制期の石炭産業 (3) 戦後復興期の石炭産業 3 戦後復興期以降の石炭産業と石炭政策 (1) 「エネルギー革命」の ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編著者】 杉山 伸也(すぎやま しんや) 慶應義塾大学経済学部教授 1981年ロンドン大学大学院博士課程修了、Ph.D.、主要業績に『明治維新とイギリス商人』(岩波書店、1993年)、『日本経済史 近世−現代』(岩波書店、2012年)、『日英交流史』4(経済)(共編著、東京大学出版会、2001年)がある。
牛島 利明(うしじま としあき) 慶應義塾大学商学部教授 1993年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学、主要業績に『日本経済史1600−2000』(共著、慶應義塾大学出版会、2009年)、「戦前期山梨県における鉄道輸送の発展と地域経済」廣田誠編『近代日本の交通と流通・市場』(清文堂出版、2011年)がある。
【執筆者】 山口 明日香(やまぐち あすか) 慶應義塾大学先導研究センター研究員 2011年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程修了、博士(経済学)、主要業績に「戦前期日本の炭鉱業における坑木調達」『社会経済史学』73巻5号(2008年1月)、「戦前期日本の鉄道業における木材利用」『社会経済史学』76巻4号(2011年2月)がある。
石岡 克俊(いしおか かつとし) 慶應義塾大学産業研究所准教授 1998年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、主要業績に『著作物流通と独占禁止法』(慶應義塾大学出版会、2001年)、『コンメンタールNTT法』(編著、三省堂、2011年)、『電気通信事業における接続と競争政策』(編著、三省堂、2012年)がある。
市原 博(いちはら ひろし) 駿河台大学経済学部教授 1984年一橋大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得、博士(経済学)、主要業績に『炭鉱の労働社会史』(多賀出版、1997年)、「三菱鉱業の技術系職員・現場係員の人的資源形成」『三菱史料館論集』13号(2012年)がある。
島西 智輝(しまにし ともき) 香川大学経済学部准教授 2006年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(商学)、主要業績に『日本石炭産業の戦後史』(慶應義塾大学出版会、2011年)、「高度成長期日本における中小炭鉱合理化対策」『三田商学研究』54巻5号(2011年12月)がある。
青木 隆夫(あおき たかお) 夕張地域史研究資料調査室室長、元夕張市石炭博物館館長 1980年秋田大学教育学部卒、主要業績に「石炭」中岡哲郎ほか編『産業技術史』(新体系日本史11)山川出版社、2001年)、「炭鉱町の形成と発展」『歴史と地理』572号(2004年3月)がある。
岡本 聖(おかもと ひじり) 慶應義塾大学日吉メディアセンター 慶應義塾大学文学部卒(図書館・情報学専攻)、主要業績に「慶應義塾図書館所蔵日本石炭産業関連資料コレクション」『資源と素材』120巻6号(2004年7月)、「電子学術書利用実験プロジェクト」(共著)Medianet 18号(2011年)がある。
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