1066〜1280年頃の島嶼の全体像をつかむ!
イギリス史の決定版シリーズ第6弾!
▼イングランドのノルマン征服から、1282年エドワード1世のウェールズ侵攻前夜までのブリテン諸島の歴史を、この時代に起こった重要な出来事――政治的社会的構造の変化、支配階層の登場、教会の改革、貨幣経済の成長――を中心に詳述する。 ▼中世の市民生活における自然環境の影響やコミュニケーションについて、ブリテン諸島諸地域での事例を比較し、地域ごとの対称性、あるいは類似性を浮き彫りにする。 ▼巻末付録に、地図、用語解説、年表、索引を掲載。
日本語版に寄せて(ポール・ラングフォード) 監修者序文(ポール・ラングフォード) 日本語版監修者序文(鶴島博和) 謝辞 凡例 図版一覧 地図一覧
序 論 バーバラ・ハーヴェー 対象とする時代/ブリテン諸島の住民/自然環境/地勢、土壌、そして土地の利用/ 森林地と荒蕪地/商交易/コミュニケーション
第一章 征服と植民定住 ロビン・フレイム 征服に参加した人びととその原動力/植民定住と諸制度/ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【原著監修】 ポール・ラングフォード(Paul Langford) オックスフォード大学リンカーン・カレッジ校長。
【編者・監修者】 バーバラ・ハーヴェー(Barbara Harvey) [序論・結論] 元オックスフォード大学中世史学准教授(リーダー)、同大学サマヴィル・カレッジ名誉フェロー。著書 Living and Dying in England 1100−1540:The Monastic Experience (1993)にて1993年にウルフソン文芸賞(歴史部門)を受賞。
【著者一覧】 ロビン・フレイム(Robin Frame) [第一章] ダラム大学歴史学名誉教授。 著書に、 Colonial Ireland,1169−1369 (1981), English Lordship in Ireland,1318−1361 (1982), The Political Development of the British Isles,1100−1400 (1900), Ireland and Britain,1170−1450 (1998)がある。
デイヴィッド・ベイツ(David Bates) [第二章] 元グラスゴー大学エドワーズ記念中世史学講座教授、元ロンドン大学歴史学研究所所長。 10世紀から13世紀初期のノルマンディー、北フランス、ブリテンの歴史について幅広く執筆。著書には、 Normandy bofore 1066 (1982)の他、1066年から87年までのウイリアム征服王の証書を編集・刊行した Regesta Regum Anglo-Normannorum:The Acta of WilliamT (1998)がある。
リチャード・ブリットネル(Richard Britnell) [第三章] ダラム大学歴史学教授。専門は社会経済史。 著書に、 Commercialisation of English Society,1000−1500 (1993), Britain and Ireland,1050 −1530:Economy and Society (2004)がある。
ブライアン・ゴールディング(Brian Golding) [第四章] 元サウサンプトン大学中世史学准教授(リーダー) 著書に、 Conquest and Colonisation:The Normans in Britain,1066−1100 (1994), Gilbert of Sempringham and the Gilbertine Order,c.1130−c.1300 (1995)がある。
ヘンリエッタ・ライザー(Henrietta Leyser) [第五章] オックスフォード ・セント・ピーターズ・カレッジ名誉フェロー。 著書に、 Hermits and the New Monasticism: A Study of Religious Communities in Western Europe,1000−1150 (1984), Medievel Women:A Social History of Women in England ,450− 1500 (1995)がある。
ヘンリー・サマーソン(Henry Summerson) [第六章] 13世紀中期イングランドの法の執行・強制に関する論文によりケンブリッジ大学で博士号を取得。その分野においていくつかの論文を発表し、さらに関連史料 Crown Pleas of the Devon Eyre of 1238 (1985)を編集・刊行をする。中世以降のイングランド北西部に関しても広く研究し、1993年に中世カーライルの歴史2巻を刊行する。その後『オックスフォード国民伝記事典( Oxford Dictionary of National Biography )』の研究編集者を努める。
【日本語版監修】 鶴島 博和(つるしま ひろかず) FSA,FRHistS 熊本大学教授。 主要業績 The Eleventh Century in England through Fish-Eyes:Salmon,Herring,Oyster,and 1066, Anglo-Norman Studies 29,2007,pp.193−213;H.Tsurushima (ed.), Nations in Medieval Britain, Shaun Tyas,Donington,2010.
【監訳者】 吉武 憲司(よしたけ けんじ) [序論、第一章、結論] 慶應義塾大学文学部教授。 主要業績 「12世紀前期イングランドにおける財務府の形成とその意味」、渡辺節夫編『ヨーロッパ中世の権力編成と展開』(東京大学出版会、2003年)、「Domina AnglorumとDominus Angle――12世紀イングランド王位継承に関する一考察」、國方敬司・直江眞一編『史料が語る中世ヨーロッパ』(刀水書房、2004年)エドマンド・キング『中世のイギリス』(監訳、慶應義塾大学出版会、2006年)。
【訳者一覧】 中村 敦子(なかむら あつこ) [第二章] 豊田工業高等専門学校准教授。 主要業績 「バルト修道院年代記にみられる証書の利用」『史林』86巻3号(2003年)、「海峡を越えて――あるアングロ・ノルマン貴族の軌跡」、前川和也編著『空間と移動の社会史』(ミネルヴァ書房、2009年)、「ノルマン征服とアングロ・ノルマン王国 1066〜1154年」、朝治啓三・渡辺節夫・加藤玄編著『中世英仏関係史1066−1500――ノルマン征服から百年戦争終結まで』(創元社、2012年)
高森 彰弘(たかもり あきひろ) [第三章] グラスゴー大学歴史学科博士課程修了。 主要業績 Regnal consolidation and regional networks:charters and religious benefactions in the diocese of Glasgow, circa 1120 to 1270(Ph.D.thesis,University of Glasgow,2008).
田中 美穂(たなか みほ) [第四章] 大分工業高等専門学校准教授。 主要業績 Nation consciousness in Medieval Ireland, Journal of International Economic Studies (Institute of Comparative Economic Studies,Hosei University), no.24(2010);「第5章 イギリスの宗教と生活」、下楠昌哉(責任編集)『イギリス文化入門』 (三修社、2010年)、Ruaidrí Ua Conchobair:the last high king of Ireland, Haskins Society Journal Japan, vol.4(2011).
有光 秀行(ありみつ ひでゆき) [第五章] 東北大学大学院文学研究科准教授 主要業績 「島のソシアビリテ」、阪本浩・鶴島博和・小野善彦編『ソシアビリテの歴史的諸相』 (南窓社、2008年)、Liebermann Library in Tokyo,in Stefan Jurasinski,Lisi Oliver and Andrew Rabin(eds.), English Law before Magna Carta:Felix liebermann and Die Gesetze der Angelsachsen (Leiden,2010);Memories and communications in the medieval Irish Sea world, East-Asian Journal of British History, vol.1(2011).
西岡 健司(にしおか けんじ) [第六章] 大手前大学総合文化学部講師。 主要業績 Scots and Galwegians in the peoples address of Scottish royal charters, Scottish Historical Review, vol.87(2008);St Kentigern and the Isle of Britain:Scotland and Britain viewed from Glasgow in the twelfth century, Haskins Society Journal Japan, vol.4(2011);「スコットランドと英仏」、朝治啓三・渡辺節夫・加藤玄編著『中世英仏関係史10 66−1500――ノルマン征服から百年戦争終結まで』(創元社、2012年)。
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