▼変らないのは、だんじり祭とこの海の眺めばかり――。 弱冠16歳で、和泉岸和田藩最後の藩主の座を去り、やがて新時代のエリートとして再生した岡部長職(おかべ ながもと 1854〜1925)。 最後の殿様の波瀾に富んだ生涯と激動の時代を丹念に描いた本格的評伝!
▼岡部は、16歳で藩主の座を降りた後、慶應義塾で平民と机を並べて学び、アメリカ(イエール大学)、イギリス(ケンブリッジ大学)へ留学、帰国後は外交官を経て、貴族院議員、東京府知事、司法大臣、枢密顧問官を歴任、明治時代のエリートとして生き抜いた人物。


みすず 2007年1-2月号「2006年読書アンケート」(61頁)で紹介されました。 nouvell Fontaine(岸和田文化事業協会) vol.14(2007年1月)で紹介されました。 歴史読本 2006年10月号「新刊案内」(368頁)で紹介されました。 読売新聞 2006年8月20日朝刊「書評」欄(12面)で紹介されました。

プロローグ
第一章 お世継ぎ誕生 1 出生と岡部氏の来歴 2 学問と成長 3 岸和田騒動
第二章 藩主として、知事として 1 幕末の岸和田藩――佐幕と勤皇の狭間で 2 知事時代の苦闘
第三章 学問への旅立ち 1 藩の終わり、家臣との別れ 2 書生生活と留学の勅諭
第四章 異国の地にて 1 いざ、サンフランシスコへ 2 アメリカ社会との出会いとキリスト教 3 イエール大学での日々、そしてイギリ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
小川原正道(おがわら まさみち) 1976年9月、長野県生まれ。1999年、慶應義塾大学法学部政治学科卒。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。米国イリノイ大学客員研究員などを経て、現在、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部助教授。専門は近代日本政治史。 著書に、『大教院の研究――明治初期宗教行政の展開と挫折』(慶應義塾大学出版会、2004年)、『問題発見の政治学』(共著、八千代出版、2004年)、『戦前日本の政治と市民意識』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『近代日本の政治』(共著、法律文化社、2006年)など。
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