あらためて折口学とは何かを問う。 折口学を通して、韓国の芸能・民俗を考察し、韓国の民俗に新しい解釈を加え、折口の芸能学そのものを広げた画期的研究。
折口信夫の学問を折口学と呼ぶのは、国文学にも民俗学にも、またその他のいかなる学問の範囲にも収まりきらない学問であるからである。その折口学の独自性を作り上げるのに大きく貢献しているものに、折口の芸能に関する研究がある。本書は、折口の芸能学の理論を通して韓国の芸能をめぐる民俗現象を考察し、韓国の民俗に新しい解釈を加えるとともに、折口の芸能学そのものを広げる画期的研究である。
序章 折口学が読み解く韓国芸能 1 拡大する折口芸能史 2 これまでの研究 3 新たなる領域 I 折口芸能史とは何か 1 その成立 2 その内容 3 その思想 II 折口学と韓国 1 言語学研究 2 比較民俗学 III まれびと論とよりしろ論 1 「まれびと」の基本的性格 2 「まれびと」ということば 3 「よりしろ」の意義
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伊藤好英(いとう よしひで) 慶應義塾高校教諭、慶應義塾大学講師。 1948年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了。高麗大学校大学院博士課程修了。文学博士。専攻は、日本芸能史・韓国芸能史。 主要著作として、『折口信夫全集』全37巻+別冊4巻(共編、中央公論新社、1995年〜)「日韓の「祭り」の比較」(『神話・宗教・巫俗』風響社、2000年)、「神と祭りの庭」(『南島研究と折口学』)桜楓社、1990年)、「まれびとの基本的性格について」(『折口信夫まれびと論研究』桜楓社、1983年)など。
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