総合政策学とは何か? 近年、社会問題の解決にあたっては、政府、非営利組織、民間の企業・個人といった多様な主体が協働して取り組む必要性が重視されている。本書では、「ガバナンス」の概念を基軸として、課題解決に取り組むためのメソッド、アクター、プロセスを統合し、「総合政策学」を「実践知」の学問として体系化する。
社会的現象を事後的に「知る」従来の学問に対して、「総合政策学」はリアルタイムに「今」を分析し、問題発見・解決に向けて、主体的、能動的に活動する「実践知」の学問である。本書では、その共通基盤を「ヒューマンセキュリティ」の実現に求め、「実践知」としての総合政策学の具体的な活動事例を紹介する。
序 文 大江守之 第1部 総合政策学の確立に向けて 第1章 伝統的「政策」から社会プログラムへ 岡部光明 はじめに 1 伝統的な「政策」観とその限界 2 「政策」の革新:社会プログラム 3 公共政策運営方式の転換 4 従来の政策学と総合政策学の対比 第2章 理論的基礎、研究手法、今後の課題 岡部光明 はじめに 1 社会環境の変化と政策学に求められる条件 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
大江守之(オオエ モリユキ)編者 慶應義塾大学総合政策学部教授。1975年 東京大学理学部卒業。1977年 同大学工学部卒業。国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部長などを経て1997年より現職。博士(工学)。文部科学省21世紀COEプログラム「日本・アジアにおける総合政策学の先導拠点」リーダー。
岡部光明(オカベ ミツアキ)編者 慶應義塾大学総合政策学部教授。1968年 東京大学経済学部卒業。1973年 米国ペンシルバニア大学修士課程修了。日本銀行金融研究所研究第1課長、米国プリンストン大学客員講師、豪州マックオーリー大学教授などを経て1994年より現職。博士(政策・メディア)。
梅垣理郎(ウメガキ ミチオ)編者 慶應義塾大学総合政策学部教授。1969年 慶應義塾大学法学部卒業。1978年 米国プリンストン大学Ph. D. (政治学博士)。米国ジョージタウン大学助教授などを経て1990年より現職。
國領二郎(コクリョウ ジロウ)著者 慶應義塾大学環境情報学部教授。1982年 東京大学経済学部卒業。1992年 米国ハーバード大学D. B. A.(経営学博士)。日本電信電話(株)、慶應義塾大学大学大学院経営管理研究科教授などを経て2003年より現職。
小島朋之(コジマ トモユキ)著者 慶應義塾大学総合政策学部教授。1967年 慶應義塾大学法学部卒業。1973年 同大学博士課程修了。法学博士。1991年より現職。2001年より総合政策学部長。
白井早由里(シライ サユリ)著者 慶應義塾大学総合政策学部助教授。1987年 慶應義塾大学文学部卒業。1989年 同大学修士課程終了。1993年 米国コロンビア大学Ph. D.(経済学博士)。国際通貨基金(IMF)エコノミストを経て1998年より現職。
平高 史也(ヒラタカ フミヤ) 慶應義塾大学 総合政策学部教授。1978年 東京外国語大学外国語学部卒業。1999年 独ベルリン自由大学、文学博士。東海大学助教授を経て1990年に慶應義塾大学総合政策学部助教授、2000年より現職。
厳 網林(ゲン モウリン) 慶應義塾大学 環境情報学部助教授。1982年 中国・武漢測絵科技大学土木測量学科卒業。1992年 東京大学博士課程修了。博士(工学)。武蔵工業大学助教授を経て2001年より現職。
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