智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。(夏目漱石『草枕』)
情動、感情、情念、情緒――。われわれは、<知>識のように <情>識を身に付けるこのができるのだろうか?
「知」の魔窟=文学部総合講座に迎え入れられた多彩な講師陣が、 「情」の構造とその「技法」を説く。
はじめに 坂本 光
第一部 <情>の構図 I 反知識人とは何か――ひとつのアメリカ的伝統 巽 孝之 II 反感情移入の陥穽 ――クリストフ・マルターラーの『ヨーロッパ人をやっつけろ!』における観客の自己欺瞞 平田栄一朗 III 「本当の自分」の政治学――公と私における情の技法 岡原正幸 IV 「甘え」概念について 土居健郎、[プレゼンター]巽 孝之 V 音楽における時間、構造、および情緒について ジョセフ・ゴーギャン、良子・ゴ ……
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編者 坂本 光(慶應義塾大学文学部助教授) 坂上貴之(慶應義塾大学文学部教授) 宮坂敬造(慶應義塾大学文学部教授) 岡田光弘(慶應義塾大学文学部教授) 巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
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