「フェミニストになる」とはどういうことか?
美容行為、サドマゾヒズム、ケア労働などのテーマを通して内面化された男性支配を暴いていく。第2波フェミニズムの金字塔、待望の邦訳。
フェミニズム理論と現象学を融合させ、女性が日常生活の中でどのように抑圧されているかを鋭く分析。身体、感情、自己認識にまで及ぶ「女らしさ」の規範が、女性に内面化された支配の形であることを明らかにする。特に、ミシェル・フーコーの権力論を応用し、女性の身体がいかに社会的に形成され、管理されているかを論じる。第2波フェミニズムの名著とされる本書は、性差別の構造を深く理解したい読者にとって必読の書。

序論
第一章 フェミニスト意識の現象学へ向けて
第二章 心理的抑圧について
第三章 ナルシシズム、女らしさ、疎外
第四章 女性的マゾヒズムと個人変革の政治学
第五章 フーコー、女らしさ、父権制権力の近代化
第六章 羞恥とジェンダー
第七章 エゴを養い、傷を世話する――女性の感情労働における服従と離反
注 訳者あとがき 人名索引
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
サンドラ・リー・バートキー(Sandra Lee Bartky)【著】 1935年生まれ、2016年没。アメリカの哲学者・フェミニズム理論家。イリノイ大学シカゴ校で哲学教授を務め、女性の身体と社会規範に関する分析を行なった。フェミニズム哲学誌 『Hypatia』の創設にも尽力した。 主要著作:Femininity and Domination: Studies in the Phenomenology of Oppression (1990), Sympathy and Solidarity and Other Essays (2002).
井上太一(いのうえ・たいち)【訳】 翻訳家・執筆家。動物倫理、ビーガニズム、フェミニズムを中心に、関連文献の翻訳と執筆に従事。 著書に、『動物倫理の最前線』(2022年)、『今日からはじめるビーガン生活』(2023年)、『動物たちの収容所群島』(2023年)、訳書にキャスリン・バリー『セクシュアリティの性売買』(2024年)、シーラ・ジェフリーズ『性売買の思想』(2025年)など多数。
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