フェミニズムから読みなおす
インターセクショナリティ基本論文集
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・人種・階級・ジェンダーが複雑に絡みあう差別とは?
・いまやバズワードとなった「インターセクショナリティ」を、フェミニズムの観点から捉えなおす。 ・原点であるキンバリー・クレンショーの記念碑的論文(1989年)から、現在にいたる最重要論文7本を精選した必読アンソロジー。
キンバリー・クレンショーは、1989年に黒人差別と性差別が重なる抑圧を「インターセクショナリティ」という概念で可視化した。以来、この分析概念は、人種・階級・ジェンダーが交差する複合的な差別の実相を考察するために、女性学や社会学、政治学などの分野でさまざまに応用されてきた。
本書は、フェミニズムの視点から「インターセクショナリティ」を捉えなおし、原点であるクレンショーの記念碑的論文から現在にいたるまでの学術的軌跡を7本の最重要論文によってたどる。
現代社会の不平等、差別をフェミニズムから再考するための必読アンソロジー。

はじめに 千田有紀
第T部 基礎編
第1章 人種と性の交差点を脱周縁化する――反差別の法理、フェミニスト理論、反人種差別政治へのブラックフェミニスト批評(キンバリー・クレンショー/山根純佳 監訳・土屋匠平 訳)
第2章 インターセクショナリティにおける定義上のジレンマ(パトリシア・ヒル・コリンズ/佐藤文香 監訳・孟令斉 訳)
第3章 インターセクショナリティの複雑性(レスリー・マッコール/千田有紀 監訳・中林基子 訳)
第U部 発展編
第4章 「バズワード」と ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【監編訳者】 佐藤文香(さとう ・ふみか) 一橋大学大学院社会学研究科教授、専門はジェンダーの社会理論・社会学、戦争・軍隊の社会学。 著書に『軍事組織とジェンダー──自衛隊の女性たち』(当社、2004年)、『女性兵士という難問――ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』(当社、2022年)など。
千田有紀(せんだ・ゆき) 武蔵大学社会学部教授、専門は現代社会論、ジェンダーの社会学、家族社会学。 著書に『女性学/男性学』(岩波書店、2009 年)、『日本型近代家族──どこから来てどこへ行くのか』(勁草書房、2011 年)など。
【訳者】 山根純佳(やまね・すみか) 実践女子大学人間社会学部教授、専門は社会学、ジェンダーと再生産/ケア労働。 著書に『産む産まないは女の権利か』(勁草書房、2004年)、『なぜ女性はケア労働をするのか――性別分業の再生産を超えて』勁草書房、2010年)など。
土屋匠平(つちや・しょうへい) 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員(DC2)、新潟県立大学非常勤講師。専門は女性史・ジェンダー史、日米関係史、アメリカ社会史。
孟令斉(もう・れいさい) 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程、順天堂大学非常勤助手。専門は国際社会学、クィア移住研究。
中林基子(なかばやし・もとこ) 武蔵大学大学院人文科学研究科博士後期課程。専門は社会学、ケアの社会学、文化人類学。
永山理穂(ながやま・りほ) 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程、駒澤大学非常勤講師。専門は社会学、ジェンダー研究。
児玉谷レミ(こだまや・れみ) 一橋大学大学院社会学研究科特任講師、十文字学園女子大学、日本女子大学、明治学院大学非常勤講師。専門は社会学、戦争社会学、軍事・戦争のジェンダー理論。
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