「新しい国民皆保険」構想
制度改革・人的投資による経済再生戦略
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制度疲労を起こしている古い「昭和モデル」をリセットする!
かつて順風満帆だった「日本型システム」が、軒並み制度疲労を起こしている。右肩上がりの成長や人口増など「よき時代」の前提が、時代の変化とともに対応しきれなくなったためだ。「国民皆保険の実現・維持」も、もはや名ばかりになっている。 本書は日本の社会保障、教育と人材育成、税制の問題を、データに基づき徹底解明し、解決のための具体策を模索する。さらに、制度改定プロセスを国際比較により他の先進諸国から学ぶ、総合的な一書。
「社会保障・教育・税制一体で改革を提案する」 「日本経済を立て直すための人的投資戦略を描く」 「社会保障制度が現在の姿になるまでの改定プロセスを国際比較により検証する」 「難解な社会保障制度の真の問題を明らかにする」
本書の特長は、この大きく4つに分類できる。年金・医療・家族・雇用など、社会保障の主要分野に加え、人的投資としての教育(社会的投資)、そして負担面の保険料・税制をも視野に入れて問題を分析。より具体的な改革案を随所に提示し、時代の実情に即した制度の再構築に向けて、今後の保険制度・税制改革・人的投資戦略を展望する。
『週刊金融財政事情』 2024.3.26号「一人一冊」(p.50)に書評が掲載されました。評者は、河野龍太郎氏(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)です。
『週刊エコノミスト』 2024年2月13日号「Book Review 話題の本」(p.54)に書評が掲載されました。
『週刊東洋経済』 2024年1月6-13日号「Book Review」(p.103)に書評が掲載されました。評者は、砂原庸介氏(神戸大学教授)です。
第1章 先進諸国が直面する社会保障の諸問題 「福祉国家」の変容/経済・社会のパフォーマンス/社会保障の規模と分野別の配分/社会保障の財源
第2章 社会保障制度の発展・改革過程と現状 社会保険制度の導入と限界/就業構造の変化と貧困・格差の拡大/複雑な社会保険の仕組み/社会保険の財源の変化と問題/財政調整の仕組みと問題
第3章 ビスマルク型社会保障の変容 ドイツ――社会保険モデルの微修正と家族政策の拡充/フランス――社会保障目的税によるユニバーサル化と手厚い給付/オランダ――実質的 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
田中秀明(たなか・ひであき) 1960年生まれ。83年、東京工業大学工学部社会工学科卒業。85年、同大大学院社会工学研究科社会工学専攻修士課程修了(工学修士)、大蔵省(現・財務省)入省。88年、厚生省(現・厚生労働省)出向、老人保健福祉部福祉課係長。91年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス社会政策修士課程修了、理学修士。金沢国税局高岡税務署長、外務省在マレーシア日本国大使館一等書記官などを歴任後、98年、大蔵省大臣官房文書課課長補佐として中央省庁再編にあたる。以後、財務総研主任研究員、オーストラリア国立大学客員研究員、政策研究大学院大学客員教授、一橋大学経済研究所准教授、内閣府参事官などを経て、2012年、明治大学大学院ガバナンス研究科教授に転身、現在に至る。政策研究大学院大学より博士(政策研究)号を取得。 OECD(予算・公共支出に関するアドバイザリー委員会)、IMF、JICA等でのプロジェクトや委員会にも多数参画した、公共政策関連の事項に通じたエキスパート。
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