医療保険制度の再構築
失われつつある「社会保険としての機能」を取り戻す
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受益と負担のバランス回復を!
日本が世界に誇る「国民皆保険」制度も、形骸化が進み、それを維持するための財政基盤もいまや風前の灯! 国民の暮らしと健康を守れる公的医療保険制度を、どのように次世代へとつないでいくか。 データとエビデンスを精査・駆使してこれからの医療保険財政と医療提供体制のあり得べき姿を模索する意欲作。
▼“公的” 医療保険制度が直面する課題を四つのポイントに集約。 ▼専門家だけではない、幅広い層の読者に向けた骨太のメッセージ!
@高齢化の進行、 A雇用形態の変化、 B財政健全化とのバランス、 C科学技術の進歩に伴う高額医療費の登場――論点を大きくこの四つに整理し、多様化と構造変化に伴って従来型の制度のままでは維持が難しくなってきたわが国の医療保険制度をこの先どう支えていくか、そのために必要不可欠なこと、乗り越えるべき課題とは何かを鮮明に浮かび上がらせる。 社会保障研究のスペシャリストが、「いま真剣に考え直すべき論点」を丁寧に解説。


『健康保険』 2021年8月号(p.28)「今月の2冊 book review 」に書評が掲載されました。評者は滝澤雅美氏(国際医療福祉大学医療福祉学部 講師)です。
『週刊社会保障』 No,3123(2021.6.7)(p.35)「この一冊」で本書が紹介されました。
『週刊東洋経済』 2021年5月1日・5月8日合併特大号(p.68)で、本書が経済学者・エコノミストが選ぶ 「経済・経営書の名著」に選ばれました。

第1章 わが国の医療保険制度
1 社会保障は目的、社会保険は方法 2 医療費の範囲と規模 3 社会保険料における公平とは 4 事業主負担と消費税 5 医療費と医療保険 6 保険者自治こそ起点 補論 医療機関の設備投資額(資本形成)把握に関する諸問題
第2章 医療保険財政の危機
1 高齢者医療費への支援金等の増大 2 老人保険制度導入とその後の健康保険料による再分配強化 3 マイナス・シーリング予算と退職者医療制度の導入 4 介護保険第2号 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
西沢 和彦(にしざわ かずひこ) 1965年生まれ。89年、一橋大学社会学部卒業、三井銀行入行。98年より(株)さくら総合研究所環境・高齢社会研究センター主任研究員。2001年、(株)日本総合研究所調査部主任研究員。2002年、法政大学修士(経済学)取得。社会保障審議会年金部会委員、社会保障制度改革国民会議委員等を歴任。 現在(株)日本総合研究所調査部主席研究員。 主著 『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社、2008年、日経・経済図書文化賞) 『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、2011年、日本公認会計士協会学術賞) 『北欧モデル』(共著、日本経済新聞出版社、2012年) ほか
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