ネットカフェの社会学
日本の個別性をアジアから開く
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日本のネットカフェはなぜ個室なのか
アジア九都市との比較研究を通して、日本のネットカフェの特異性とコミュニケーションの可能性を探る。
「ネットカフェ難民」という言葉に象徴される、〈分断〉〈排除〉〈自己責任論〉。 それは、他者からの抑圧以上に、自分自身からの疎外として立ち現れる。
一方、他のアジア九都市のネットカフェは、日本とは異なる様相を帯びて、様々なかたちで人々に開かれている。
〈共にあること〉の困難を抱えた現代社会において、オンラインとオフラインの境界「ネットカフェ」に、コミュニケーションの可能性を探る。


ソシオロジ(社会学研究会) No.200(第65巻3号・2021年2月)に書評が掲載されました。評者は加藤晴明氏(中京大学現代社会学部教授)です。
『社会学評論』 vol71, no1, 20200年6月30日刊行(p.169〜p.171)に書評が掲載されました。評者は阿部潔氏(関西学院大学社会学部教授)です。
『アジア経済』 Vol. 61, No. 2, 2020年6月(p.82〜p.85)に書評が掲載されました。評者は松下慶太氏(関西大学社会学部教授)です。

序 言 目 次 凡 例
序 章 アジアのインターネット利用の比較と方法的問題 1 アジアのデジタルディバイドとネットカフェ――統計的問題 2 各国のインターネットとネットカフェ――比較社会学的問題 3 研究手法――マッピング・フィールドワーク・インタビュー・言説分析 4 ネットカフェという場所の比較の意味と意義――先行研究との比較から
T 日本のネットカフェからアジアへ向けて
第1章 個室で一人きりになりたくて――現代日本のネットカフェの風景 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
平田 知久(ひらた ともひさ) 1979年生まれ。2008年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(人間・環境学)。京都大学大学院文学研究科研究員(グローバルCOE)などを経て、現在、群馬大学社会情報学部准教授。著作に、“ The Double Digital Divide and Social Inequality in Asia: Comparative Research on Internet Cafes in Taiwan, Singapore, Thailand, and the Philippines” (M. Ragnedda and G. W. Muschert (eds.), 2013, The Digital Divide: The Internet and Social Inequality in International Perspective. Routledge)、「アジアを移動する人々とネットカフェの風景」(佐藤卓巳編『岩波講座 現代――第9巻 デジタル情報社会の未来』岩波書店、2016年)、「インターネットカフェという場所――マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題」(秋津元輝・渡邊拓也編『せめぎ合う親密と公共――中間圏というアリーナ』京都大学学術出版会、2017年)などがある。
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