新たな魚類大系統
―― 遺伝子で解き明かす魚類3万種の由来と現在
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▼世界の海や川には33,462種の魚がいる!
遺伝子を比較して魚の過去を復元したところ、教科書を書き換える予想外の結果が次々と得られた。分子系統学が解き明かす魚類5億年の進化史。
▼既成概念への挑戦! シリーズ第4弾。
ミトコンドリアゲノム全長配列の高速決定法開発に成功 ―― それがきっかけとなり、長いことその道の権威の独壇場だった魚類系統学に身を投じた。無謀にもみえた挑戦だったが、著者は数々の困難を乗り越え、魚類3万種の大系統の概要を世界に先駆けて発表。さらには「深海魚の3つの科が1つに」「ウナギの祖先は深海魚」「生きている化石ムカシウナギの発見」「(マグロを含む)新分類群ペラジアの発見」など、国内外で大きな反響を呼んだ研究成果を次々に発表した。文字どおり魚類学の教科書を書き換えた15年間のストーリー。
日本進化学会ニュース Vol. 18, No. 1(2017年3月)「書評」(p.32)に掲載されました。評者は杉目良平氏(酪農学園大・農色環境学環境共生学類)です。
みすず no.656(2017年1-2月号)の「2016年読書アンケート」にて、斎藤成也氏(人類学)からコメントをいただきました。
ボート倶楽部 2017年12月号 「Book」(p.145)にて紹介されました。
第1章 系統学事始め 1.1 “Connecting the dots”(点と点をつなげる) 1.2 系統学における“connecting the dots” 1.3 現生種は共通祖先を通じて結ばれる 1.4 遺伝子と分子系統学 1.5 系統学における「既成概念」 1.6 研究のフロンティアとインパクト 1.7 サイエンスにおける発見の喜び
第2章 研究の世界との出合い 2.1 釣りにのめり込んだ少年時代 2.2 大学 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【監修者】 斎藤成也(さいとう・なるや) 1957年生まれ。テキサス大学ヒューストン校生物学医学大学院修了(Ph.D.)。現在は国立遺伝学研究所教授。おもな著書に『DNAから見た日本人』(ちくま新書)、『ゲノム進化学入門』(共立出版)、『Introduction to Evolutionary Genomics』(Springer)、『日本列島人の歴史』(岩波ジュニア新書)などがある。
塚谷裕一(つかや・ひろかず) 1964年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。現職は東京大学大学院理学系研究科教授。岡崎統合バイオサイエンスセンターおよび放送大学客員教授も努める。おもな著書に、『漱石の白くない白百合』(文藝春秋)、『果物の文学誌』(朝日選書)、『植物の<見かけ>はどう決まる』(中公新書e-Book)、『植物のこころ』(岩波新書)、『変わる植物学、広がる植物学』(東京大学出版会)、『スキマの植物図鑑』(中公新書)など。趣味は、植物に関するさまざまなこと、エッセイ書き、おいしいもの探索など。
高橋淑子(たかはし・よしこ) 1960年生まれ。京都大学理学研究科生物物理学専攻(理学博士)。現在は京都大学大学院理学研究科生物科学専攻教授。おもな訳書に『ギルバート発生生物学』(監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル出版)がある。趣味は歌(合唱)。大阪フィルハーモニー合唱団所属。
【著者】 宮 正樹(みや・まさき) 1959年生まれ。東京大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。現在は千葉県立中央博物館 生態・環境研究部長。専門は魚類の分子系統進化学・分子生態学。趣味は料理、ワイン、ガーデニング。それが長じて「フランスワイン産地巡礼」というライフワークを創出。年に1〜2回渡仏し、アパートを借りてレンタカーでブドウ畑を巡り、周辺の丘陵をランドネ、夜は現地の食材で料理をつくってワインと楽しむ。詳細はライフログThis is Life! (http://cyclothone.blogspot.jp)へ。
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