▼花は送粉者とともに進化した! ▼送粉共生の魅力に迫る!
チャルメルソウ類の研究からたどり着いたのは、進化生物学で最古のテーマでもある「種の起原」という最も挑戦的な問題だった。
▼進化の最前線を解き明かすシリーズ。ついに完結! ▼花とその花粉を運ぶ虫との共生関係から、種の分化という謎に迫る。
花を咲かせる植物は地球上に35万種以上あるといわれており、その85%以上は動物媒花であるという推計がある。単純に考えれば、花の多様性には、30万種類超もの動物とのかかわりが秘められていることになる。この多様な動物とのかかわり方は、そもそもどのようにして生じたのか。それを明らかにすれば、植物という生き物が、なぜこのような多様な種に分化し、あまねく地球上に広がっているのか、その不思議の理由に迫れるかもしれない。(「はじめに」より)
日経サイエンス 2018年11月号 「新刊Guide」(p. 110)にて紹介されました。
J-CAST「BOOKウオッチ」 2018年9月5日の「水曜J-CAST書評」に書評が掲載されました。評者は森永流氏(BOOKウォッチ編集部)です。 本文はこちら
第1章 送粉生物学に入門する 1.1 植物の多様性研究へのいざない 1.2 チャルメルソウの送粉者は誰だ?
第2章 分子系統学に入門する 2.1 矛盾するチャルメルソウ類の系統関係の謎 2.2 決着は3つ目の分子系統樹で
第3章 太平洋をまたぐチャルメルソウ研究 3.1 憧れのアメリカ産チャルメルソウ類 3.2 北米にもあったキノコバエ媒 3.3 海外での単独野外調査 3.4 チャルメルソウ類を網羅する 3.5 チャルメルソウ属は多系統群だった ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【監修者】 斎藤成也(さいとう・なるや) 1957年生まれ。テキサス大学ヒューストン校生物学医学大学院修了(Ph.D.)。現在は国立遺伝学研究所教授。おもな著書に『DNAから見た日本人』(ちくま新書)、『ゲノム進化学入門』(共立出版)、『Introduction to Evolutionary Genomics』(Springer)、『日本列島人の歴史』(岩波ジュニア新書)などがある。
塚谷裕一(つかや・ひろかず) 1964年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。現職は東京大学大学院理学系研究科教授。岡崎統合バイオサイエンスセンターおよび放送大学客員教授も努める。おもな著書に、『漱石の白くない白百合』(文藝春秋)、『変わる植物学、広がる植物学』(東京大学出版会)、『スキマの植物図鑑』(中公新書)など。趣味は、植物に関するさまざまなこと、エッセイ書き、おいしいもの探索など。
高橋淑子(たかはし・よしこ) 1960年生まれ。京都大学理学研究科生物物理学専攻(理学博士)。現在は京都大学大学院理学研究科生物科学専攻教授。おもな訳書に『ギルバート発生生物学』(監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル出版)がある。趣味は歌(合唱)。大阪フィルハーモニー合唱団所属。
【著者】 奥山雄大(おくやま・ゆうだい) 1981年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在は国立科学博物館植物研究部研究主幹(兼)筑波実験植物園研究員。専門は植物学、生態学、進化生物学。趣味は旅行、生き物全般の観察のほかに漫画、映画鑑賞、ロールプレイングゲーム。作品としては特に「ジョジョの奇妙な冒険」、「トランスフォーマー」、「ロマンシングサガ」シリーズをこよなく愛している。
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