高齢者を排除しない共生社会の構築に向けて保険の役割を問い直す!
いまや、交通事故死亡者の半数以上を高齢者が占める日本。 本書は、高齢者の交通事故への補償対策を通じて、これからの交通社会のあり方を考える。 経済学と法律学、実務家と研究者とのコラボレーションから生まれた最新の成果。
▼高齢時代の交通社会はどうあるべきか。
▼産学連携を特色とする慶應義塾保険学会叢書の第5巻。今回は、堀田一吉慶大教授を座長とする日本交通政策研究会の研究プロジェクト「高齢者の自動車事故と高齢者福祉」の成果発信。第一線の研究者・実務家が結集し、最新の業界動向と研究成果を提供する。
▼近年、高齢化の進展に伴って高齢者が「被害者」あるいは「加害者」となる交通事故が急増している。このため保険会社の収益が悪化、保険料の値上げをもたらし、自家用車を手放す高齢者も増えている。いまや高齢者の交通事故は、新たな「社会的排除」を生む深刻な社会問題となっているのである。
▼本書は、高齢者をめぐる交通事故の現状と、新たな技術開発による事故防止策を分かりやすく紹介するとともに、事故への補償対策について海外の先進事例を踏まえながら今後の法制度改革とその運用方法を提言、そして高齢者とともに生きる新しい交通社会の姿を描く。
![目次](/img/detailh4-contents.gif)
はしがき 堀田 一吉・山野 嘉朗
第1章 高齢社会と交通事故 江澤 雅彦 1 はじめに 2 高齢社会の現状と将来 (1) 現状 (2) 将来推計人口で見る今後のトレンド 3 高齢化の要因 (1) 高齢者の数の増加=死亡率の低下に伴う平均寿命の延伸 (2) 少子化の進行による若年人口の減少 4 高齢社会における交通事故 (1) わが国の交通事故の推移と高齢者の被害 (2) 直近の状況 5 高齢者をめぐる交通事故対 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編著者】 堀田 一吉(ほった かずよし) [第9章] 1960年生まれ。1989年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学商学部教授。主要業績に、『現代リスクと保険理論』(東洋経済新報社、2014年)、『保険進化と保険事業』(共編著、慶應義塾大学出版会、2006年)、『保険理論と保険政策――原理と機能』(東洋経済新報社、2003年)等。
山野 嘉朗(やまの よしろう) [第7章] 1952年生まれ。1982年早稲田大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、愛知学院大学法学部教授。主要業績に、『概説交通事故賠償法[第3版]』(共著、日本評論社、2014年)、『専門訴訟講座B保険関係訴訟』(共編著、民事法研究会、2009年)、『保険契約と消費者保護の法理』(成文堂、2007年)等。
【執筆者】 江澤 雅彦(えざわ まさひこ) [第1章] 早稲田大学商学学術院教授
大坪 護(おおつぼ まもる) [第2章] 一般社団法人日本損害保険協会 業務企画部長
北村 憲康(きたむら のりやす) [第3章] 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 主席研究員、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任准教授
加瀬 幸喜(かせ こうき) [第4章] 大東文化大学法学部教授
竹井 直樹(たけい なおき) [第5章] 一般社団法人日本損害保険協会 生活サービス部 シニアマネージャー
甘利 公人(あまり きみと) [第6章] 上智大学法学部教授、弁護士
福田 弥夫(ふくだ やすお) [第8章] 日本大学法学部教授
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