「理想」とは何か? プラトン主著に挑む。
ユートピア論最大の著作『ポリテイア』は、 理想の国家建設を目指す近代日本の魂を揺さぶった。 やがて、全体主義のイデオロギーに利用されてゆく 運命を辿った問題作の核心に触れる、野心的な一冊。
「理性と欲望をめぐる冷徹な現実認識と、その背後にある 人間本性への信頼。楽観主義と悲観主義が交錯する プラトンの「理想国」論を読むことは、私たち自身が 哲学のぎりぎりの営みを共有することなのである。 二一世紀の日本に生きる私たちは、果たしてプラトンの 挑戦に応えることができるのか。」 (第I部「現在の鏡としてのポリテイア」より)

- 2012年8月16日(木)19:30〜ジュンク堂書店池袋本店にて、「プラトン哲学に挑む――「理想」とは何か、哲学はいま何を語るのか」 納富信留(慶應義塾大学文学部教授)× 熊野純彦(東京大学文学部教授)開催しました。ご来場くださった皆様、ジュンク堂書店池袋本店様、ありがとうございました。お陰様で大盛況となりました。企画にご快諾くださった納富先生・熊野先生にもお礼申し上げます。
- 「序「理想」を追う哲学――あるいは、現代のドン・キホーテ」を公開しました。ぜひご覧ください。

ハーバード大学イェンチン研究所HPにて紹介されました。 本文はこちら
ペディラヴィウム 高橋雅人先生書評「納富信留著『プラトン 理想国の現在』(慶應義塾大学出版会、2012年)を読む」(『ペディラヴィウム』第68号、2013年12月、ペディラヴィウム会)
週刊読書人 2012年12月21日付「2012年回顧総特集」にて貫成人氏にご紹介いただきました(3面)。

序 「理想」を追う哲学――あるいは、現代のドン・キホーテ
第T部 現在の鏡としての『ポリテイア』 第一章 『ポリテイア』の正義論 一、プラトン正義論の特異性 二、現代正義論の限界 三、人間本性(フュシス)への問い 第二章 理想国論批判の再考 一、ポパーによる問題提起 二、受容史からの考察 三、理想国論の位置づけ 第三章 「哲人王ホメイニー」
第U部 『ポリテイア』を読んだ日本の過去 第四章 新しい日本語の ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
納富 信留(のうとみ のぶる)
1965年東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院博士課程を経て、95 年ケンブリッジ大学古典学部にてPh.D.取得。九州大学文学部助教授を経て、現在、慶應義塾大学文学部教授。国際プラ トン学会前会長。専門は西洋古代哲学。 代表著作にThe Unity of Plato’s Sophist: Between the Sophist and the Philosopher (Cambridge University Press, 1999),『ソフィストと哲学者の間――プラトン『ソフィスト』を読む』(名古屋大学出版会、2002年)、『プラトン――哲学者とは何か』(NHK 出版、2002年)、『哲学者の誕生――ソクラテスをめぐる人々』(ちくま新書、筑摩書房、2005年)など。『ソフィストとは誰か?』(人文書院、2006年)でサントリー学芸賞受賞。
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