荷風の老いの孤独、寂寥が余すところなく描かれ粛然とする。(川本三郎氏評)
▼永井荷風は、昭和20年3月10日の東京大空襲で東京麻布の偏奇館が焼失した後、転々と居を変え、岡山で終戦を迎えた。昭和21年1月に千葉県市川市菅野に住み始め、昭和34年4月に永眠するまで、同じ市川市で暮らし続けた。本書は、戦後市川時代の荷風の生活を、一時期荷風の大家(おおや)であった仏文学者・小西茂也の「荷風先生言行録 メモ帖」(新発見)とともに多角的に検証して荷風の内奥に迫る注目の評伝。
本書は、日本図書館協会選定図書です。


宮崎日日新聞 2012年7月29日「書評」欄にて紹介されました。
神戸新聞 2012年7月29日「読書」欄(11面)にて紹介されました。
信濃毎日新聞 2012年7月29日「読書」欄(23面)にて紹介されました。

はじめに
一 麻布をあとに 1 偏奇館炎上 2 流浪の旅へ 3 帰京の思い 二 市川の発見 1 杵屋五叟との縁 2 よみがえる創作意欲 3 相磯凌霜との再会 4 ラジオ問題と杵屋家との確執 5 日常生活の回復
三 小西家に寄寓 1 執筆活動の本格化 2 小西メモの発見 3 活発化する散策活動 4 蔵書盗難事件 5 幸田露伴の葬儀 6 小西家に泥 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
秋山 征夫(あきやま ゆきお)
1944年生れ。東京外国語大学スペイン語科卒。TBSに勤務し、2004年退社。
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