いぶし銀の響き――その音色の原泉をたどる ▼460年の歴史を誇るザクセンのオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン歌劇場管弦楽団)、そのドラマトゥルクだった著者が、劇場所有の豊富な資料と実際の演奏活動ををもとに、16世紀から21世紀までの壮大な楽団史を楽曲形式でまとめあげる。ケンペ、スウィトナー、ザンデルリンク、シノーポリ…ヨーロッパ音楽界のそうそうたる面々が続々登場。クラシックファン待望の一冊。 ▼訳者による膨大な人名索引とディスコグラフィーを補完。
本書は、日本図書館協会選定図書です。

オーケストラが鳴る前に はじめに 『最初の調べ』 カペレとその楽長(カペルマイスター)たち
間奏をはさんだ主題と変奏
第一変奏❖ヨハン・ヴァルターからハインリヒ・シュッツまで 間奏その一 カペレの遺産の継承
第二変奏❖ジョヴァンニ・アンドレア・ボンテンピからアントーニオ・ロッティ 間奏その二 オペラの上演場所
第三変奏❖ハッセの時代 間奏その三 カペレを代表する名奏者群像 第四変奏ϯ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 エーバーハルト・シュタインドルフ 1938年、ツヴィカウ生まれ。ドレスデンで教会音楽、ライプツィヒで音楽学を専攻。ルターの生地アイスレーベンおよびケムニッツの劇場所属のドラマトゥルクとなる。1969年よりシュターツカペレ・ドレスデンのコンサート担当客員ドラマトゥルクとなり、1971年から2004年まで、ドレスデン国立時歌劇場・ザクセン州立歌劇場でシュターツカペレ・ドレスデンのコンサート・マネージャーを務める。首席指揮者ジュゼッペ・シノーポリとベルナルト・ハイティンクを補佐。シュターツカペレ・ドレスデンに関する編著書が多数ある。新聞・雑誌記事、コンサート・プログラム、CD解説書も執筆。勇退後の現在は、ヘンスラー社のCDレーベル「プロフィール(Profil)」のエディツィオーン・シュターツカペレ・ドレスデン(Edition Staatskapelle Dresden)の企画編集に携わるかたわら、19世紀における「ドレスデン王立楽団の演奏会活動」に関する研究を続ける。
【訳者】 識名章喜(しきな あきよし) 1956年東京生まれ。慶應義塾大学商学部教授。1984年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学(ドイツ文学)。慶應義塾大学商学部助手、助教授を経て、2000年より現職。主要著書・訳書に、『ユートピアの期限』(共著、第8章担当、慶應義塾大学出版会、2002年)、『ドイツ語入門I・II』(共著、放送大学教育振興会、2006年)、R.ザフランスキー『E.T.A.ホフマン』(法政大学出版局、1994年)、N.ボルツ『グーテンベルク銀河系の終焉』(共訳、法政大学出版局、1999年)、J.ヘルマント『理想郷としての第三帝国』(柏書房、2002年)などがある。
|