音楽は自らのコスモロジーの反映である。 真の前衛的態度で、常に自身を音楽の地平に賭け続ける、湯浅譲二の豊穣なるコスモロジー。
国際的に活躍する作曲家、湯浅譲二待望のエッセイ集。一貫した前衛的態度で、音楽の地平を切り開いてきた、その半世紀近い創作活動の背景にある思想、人生観を一冊に凝縮。読者を豊かな音楽世界へと誘う。
はしがき
T 二十一世紀への眼差 二十一世紀を前に「真の前衛」を考え直す コスモロジー―音楽にいま問われるもの
U 原風景 広大さ、みちのくの一つのプロフィール 前衛音楽故郷へかえる 作曲家のコスモロジー(対談 武田明倫、湯浅譲二) ことばのパフォーマンス―水
V 実験工房 実験工房と瀧口修造 実験工房とメシアン―五〇年代からいまへ 実験工房のこと、そして若い作曲家への提言 ―新しい音楽の世界を切り拓いたエネルギー ……
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1929年、福島県郡山市生まれ。高校時代から独学で作曲をはじめ、慶應義塾大学医学部進学コース在学中より音楽活動に興味を覚え、1952年、武満徹、鈴木博義、園田高弘らの芸術家グループ「実験工房」に参加、ピアノ曲「二つのパストラール」でデビュー。以来、オーケストラ、室内楽、合唱、劇場用音楽、インター・メディア、電子音楽、コンピュータ音楽など、幅広い作曲分野で活躍、国内外より多数の委嘱を受けている。 かたわら、1981年〜94年、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)教授をはじめ、音楽教育・研究の場で後進の指導にも当たってきた。現在、UCSD名誉教授、日本大学芸術学部客員教授、東京音楽大学客員教授。 ベルリン音楽祭審査員特別賞、イタリア賞・大賞、サン・マルコ金獅子賞、尾高賞、芸術祭大賞、飛騨古川音楽大賞、京都音楽賞・大賞、サントリー音楽賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、日本芸術院賞・恩寵賞ほか、受賞多数。
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