「この本は私自身である」 ――ピエール・ブーレーズ
▼フランス・キュルチュール局(ラジオ・フランス)でおこなわれた、ブーレーズとヴェロニク・ピュシャラ氏とのラジオ対談「ありのままの声で」。彼はそこで自由に明快に、そして力強く、自身を語った。ユートピア、無意識の無限性、未完、革新、発展……。いまだ前進し続ける20世紀の巨星の、その緊迫した生命力が心に響く感動の1冊。 フランスのアカデミー音楽賞、シャルル・クロ賞受賞作の待望の邦訳。
<メディア評> ここに一つの誇り高き文化が実現した。ブーレーズという人間を、疑う余地のない極限までもっと知りたいと思う人々に、心から薦めたい1冊である。――Mediapart
ヴェロニクは根気よく調査し変幻自在の天才と呼ばれるブーレーズの隅々までをもみごとなまでに書き記した。今日まれにみる1冊である。――L'Éducation musicale
[お知らせ] アルテス・パブリッシングさんのサイト「おすすめ音楽情報」にて、本書をご紹介いただきました。
音楽の友 2012年1月号「新刊書評BOOKS」(26頁、小沼純一氏)にて紹介されました。
日本語版に寄せて まえがき
聴くこと オリヴィエ・メシアン(1908-1992)との出会い メシアン門下で聴くことの訓練 知ることと見分けること
自己の正しさと音程の正しさ ロジェ・デゾルミエール(1898-1963)という手本 ルノー‐バロー劇団の音楽監督
ピアノからオンド・マルトノへ 知覚のユートピアと実用性 ファウスト博士とブーレーズ氏
まなざし 感情と明白さ 「ドビュッシーは、感動の裸体にまで進むこと」と語っていた ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 ヴェロニク・ピュシャラ(Veronique Puchala) ジャーナリスト フランス・キュルチュール局(ラジオ・フランス)のプロデューサー、ジャーナリスト、教育者。パリ国立高等音楽院修了。
【訳者】 神月朋子(こうづき ともこ) 埼玉大学教育学部准教授。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院博士課程修了。博士(音楽学)。国際文化教育交流財団(日本経団連)の奨学生としてパリ第八大学に留学(1991-93)、D.E.A.取得。日本学術振興会特別研究員等を経て現職。朝日スピーチ・コンテスト「コンクール・ド・フランセ」優勝(主催:朝日新聞社、後援:駐日フランス大使館、1990年)。専門は20世紀音楽、日本近代音楽。主要著書に『新編 音楽中辞典』(共著、音楽之友社、2002年)、『ジェルジ・リゲティ論――音楽における現象学的空間とモダニズムの未来』(春秋社、2003年)、主要論文に「昭和初期における洋楽の普及と創造」(『埼玉大学紀要(人文科学)』第57巻第2号、2008年)、「池内友次郎のフランス音楽受容」(『埼玉大学紀要(人文科学)』第59巻第1号、2010年)など。
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