日中戦争とイスラーム
満蒙・アジア地域における統治・懐柔政策
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日中戦争期の軍部の対イスラーム政策を実証的に分析。 ▼日中戦争期における日本の対イスラーム政策を外務省外交史料館、防衛省防衛資料室、イギリス・パブリック・オフィス所蔵の外交文書、トルコ語史料などの一次資料から実証的に分析。 ▼満蒙から東南アジアへと日中戦争が拡大していく過程で戦略的な重要性が高まるイスラーム教徒住民に対する日本の政策的取り組みを諜報・工作活動、統治・支配の面から解明する。

中国研究月報 2008年12月号(vol.62 No.12)「書評」(42頁)で紹介されました。

序 坂本 勉
第1章 アブデュルレシト・イブラヒムの再来日と蒙疆政権下のイスラーム政策 坂本 勉 はじめに 1 再来日までのイブラヒムの歩み 2 神田正種の対ソ情報活動と満州事変 3 イブラヒムの再来日と対ソ政策の転換 4 蒙疆政権の成立過程とイスラーム政策の進展 5 善隣協会と西北回教聯合会 6 西北工作の挫折 おわりに
第2章 南満洲鉄道株式会社の諜報ネットワークと情報伝達システム ――一九三〇年代後半のイスラーム関係満鉄文書 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[編者] 坂本勉(さかもと つとむ) 1945年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院博士課程修了(近代イスラーム社会史、トルコ民族史)。現在:慶應義塾大学文学部教授。主要著作に『トルコ民族主義』(講談社)、『イスラーム巡礼』(岩波書店)、『ペルシア絨毯の道』(山川出版社)、『トルコ民族の世界史』(慶應義塾大学出版会)、『イスラーム復興はなるか』(編著、講談社)、『近代日本とトルコ世界』(編著、勁草書房)など。
[執筆者(執筆順)] 白岩一彦(しらいわ かずひこ) 1951年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院修士課程修了(東洋史、イスラーム文献学)。現在:国立国会図書館主題情報部主査。主要著作に「協調と対立―清末のモンゴル族と漢族」『民族で読む中国』(朝日新聞社)、「ラシード・ウッディーン『歴史集成』現存写本目録」『参考書誌研究』第53号など。
メルトハン・デュンダル(Merthan Dundar) 1968年生まれ。アンカラ大学言語・歴史・地理学部卒業。ハジェテペ大学大学院博士課程修了(日本=トルコ関係史、トルコ民族史)。現在:アンカラ大学言語・歴史・地理学部専任講師。主要著作に『パン・イスラーム主義から大亜細亜主義へ―オスマン帝国、日本、中央アジアをめぐる関係』(トルコ語、オテュケン出版社)など。
松長昭(まつなが あきら) 1960年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院博士課程修了(トルコ民族史)。現在:笹川平和財団主任研究員。主要著作に『アゼルバイジャン語文法入門』(大学書林)、「イスタンブルのカザフ人」『イスラム世界』46号、「アヤズ・イスハキーと極東のタタール人コミュニティー」『近代日本とトルコ世界』(勁草書房)など。
倉沢愛子(くらさわ あいこ) 1946年生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院国際関係研究科博士課程修了。コーネル大学Ph.D. 現在、慶應義塾大学経済学部教授。主要著書に、『日本占領下のジャワ農村の変容』(草思社)、『「大東亜」戦争を知っていますか』(講談社)、『インドネシアイスラームの覚醒』(洋泉社)など。
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