日中戦争とイスラーム
満蒙・アジア地域における統治・懐柔政策

序 坂本 勉
第1章 アブデュルレシト・イブラヒムの再来日と蒙疆政権下のイスラーム政策 坂本 勉 はじめに 1 再来日までのイブラヒムの歩み 2 神田正種の対ソ情報活動と満州事変 3 イブラヒムの再来日と対ソ政策の転換 4 蒙疆政権の成立過程とイスラーム政策の進展 5 善隣協会と西北回教聯合会 6 西北工作の挫折 おわりに
第2章 南満洲鉄道株式会社の諜報ネットワークと情報伝達システム ――一九三〇年代後半のイスラーム関係満鉄文書をめぐって 白岩一彦 はじめに 1 日本および中国における満鉄文書の所蔵状況 2 国立国会図書館所蔵満鉄文書の概要 3 満鉄の諜報ネットワークと情報伝達システム――満鉄東京支社・東亜経済調査局の送受信文書を例として 4 満鉄文書からみた日本の対イスラーム政策――内蒙・回民工作ならびに西北工作をめぐって 5 満鉄文書からみた中華民国の対イスラーム政策 おわりに
第3章 オスマン皇族アブドュルケリムの来日 メルトハン・デュンダル はじめに 1 帝国主義の道を歩む日本とイスラーム世界 2 オスマン皇族と日本 3 トルキスタン皇帝アブドュルケリム皇子 おわりに
第4章 東京回教団長クルバンガリーの追放とイスラーム政策の展開 松長 昭 はじめに 1 クルバンガリーの来日と東京回教団 2 東京回教団長クルバンガリーの追放 3 イブラヒムの登場と東京モスク開堂 4 追放後のクルバンガリー おわりに
第5章 「大東亜」戦争期の対イスラーム政策 倉沢愛子 はじめに 1 戦前のイスラーム研究と政策 2 揺れる不干渉政策――マラヤの場合 3 在村の宗教教師を標的に――ジャワの場合 おわりに
索引
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