メキシコ、先住民共同体と都市
都市移住者を取り込んだ「伝統的」組織の変容
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メキシコ社会の変貌を捉える人類学的研究。 都市への移住がすすむ先住民社会。「閉鎖的農民共同体」が「地理的に広がる共同体」へと変化する村落−都市の相互関係を、村の役職組織「カルゴ」の変容を通して民族誌的に描いた意欲作。

はじめに――フィールドとの出会い I 序論 1 本書の目的 2 先行研究 3 経済資本、象徴資本、文化資本とカルゴ・システム
II サン・マルティンの地理的・社会的環境 1 地理的概観 2 生業 3 サン・マルティンの近代的施設 4 近隣の小都市との関係
III サン・マルティン在住者の我々意識 1 インディヘナおよびエスニック・グループの分類の基準 2 複数の我々意識 3 「サン・マルティンの者であること」を生成する要因 4 「所与の」 ……
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禪野美帆(ぜんの みほ) 東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。文化人類博士。現在、慶應義塾大学文学部教員。専攻:文化人類学、都市人類学。 主要論文として「村落在住者と都市移住者の社会組織の相互関係――メキシコ、オアハカ州、ミシュテカ高地の一村落の事例から」(『民族学研究』59巻3号、1994年)、「メキシコ、オアハカ州、サン・マルティン村における村長選出の過程」(『イベロアメリカ研究』23巻2号、2002年)ほか。
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