No.1238(2019年11月号)
特集
No.1238(2019年11月号)
特集
三田評論
2019年11月号表紙
「書」「声」「言葉」をめぐる名言、至言が3つもあった。「人への深い語りかけには深い声が不可欠ですが、声は一瞬で消えてしまいます。書は、姿を残せるので、書く者が神様との深いへその緒を持てるならば、時代を超えて深く語りかけることができます」(岩井笙韻)。「本当に伝えたいことを、美しい声で話すこと。これこそが歌うことの原点で、音楽です」(佐藤奈々子)。「本当の芝居は言葉の表層にある意味や物語にあるのではなく、俳優がその言葉を舞台で生き抜いた時にはじめて現れる」(渡辺保)。こういう文言に巡り会うと、文句なしに心が洗われる。その心で特集「変わるインドと日本」を読むと、一昔前の学生が卒業旅行でパリなどに行かず、われがちにインドを目指した気持ちが少しは分かってくる。それにしても、そうしたインド観自体がすでに古いようだ。特集のあまりにも多様で錯雑した大国の姿にひたすら圧倒され、困惑するばかり。
鷲見洋一
日本とインドの関係の重要性は年々増していますが、インドについて漠然としたイメージしか持っていない方も多いかと思います。IT産業の興隆を筆頭に、近年著しく変化するインド社会の姿は実に多様なものがあります。2020年代には世界一の人口となる大国インドの新しい姿を描く特集です。
山田 悟さん
北里大学北里研究所病院糖尿病センター長・塾員
インタビュアー:湧井浩之(うなぎ割烹「大江戸」取締役・塾員)
日本人で糖尿病のリスクがある方は2000万人を超えるとも言われます。糖尿病専門医である山田さんは、従来のカロリー制限食のあり方に異議を唱えて、緩やかな糖質制限「ロカボ」を提唱。新しい健康で楽しい食生活のあり方の輪が広がりつつあります。その糖尿病に向き合う情熱の源には北里柴三郎の言葉があるとのことです。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。