三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1232(2019年4月号)

特集

日本人の「休み方」

三田評論

─ 表紙絵:鎮目守治 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

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寸描2019年4月号について

三田評論4月号

三田評論
2019年4月号表紙

平成の掉尾を飾る号である。昭和の戦時に生まれ、平成を生きた筆者にはいろいろ琴線に触れてくる記事あり。「時の話題平成を振り返る」は平成だけでなく、その前の昭和までをも回顧し総括する企画になっている。平成と宝永とを重ね合わせる磯田道史氏の史観、消費税に注目する土居丈朗氏の「宿題」、右翼の変質を指摘する片山杜秀氏の慧眼、いずれも納得。すでに還暦を超えた東京タワーをめぐる「三人閑談」が、昭和の象徴のような電波塔を語れば、平成を彩る最大の目玉「インターネット文明論之概略」を村井純氏が論じている。思わず苦笑したのは、世界がインターネットで「つながる」と強調する村井氏のページの少し前に、特集「日本人の休み方」が組まれ、座談会ではフランスなどの「つながらない」権利が議論されているという駄洒落のような対照関係の妙。それにしても日本人は休みの取り方が本当に下手だ。フランス人と足して二で割ったらいい。

鷲見洋一

特集日本人の「休み方」

日本人の「休み方」

今月から一連の働き方改革関連法が施行され、5日間の「年次有給休暇取得」が義務化されます。「休み下手」とも言われる、日本人。ワークライフバランスの観点からも、適切な「休み」を取ることが必要とされていますが、長期休暇のみならず睡眠を中心とした日々の「リカバリー」が仕事の生産性に影響を与えることは明白なようです。「休み方」の見地から「働き方」を考えていく、タイムリーな特集です。

座談会
「休み方」が変われば「働き方」が変わる

梶木繁之
株式会社産業保健コンサルティングアルク代表取締役
加藤晋也
株式会社デンソー人事部長・塾員
石原直子
リクルートワークス研究所人事研究センター長・塾員
島津明人
慶應義塾大学総合政策学部教授
山本 勲
慶應義塾大学商学部教授

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日本大学法学部教授・塾員、専門分野/労働法・社会保障法
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荻野淳也
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事・塾員
良い睡眠とは何か?
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慶應義塾大学医学部睡眠医学研究寄附講座特任教授、スリープクリニック調布院長
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fuzkue 店主・塾員
SFCの男性教員が育児休職を取ったら。
和田龍磨
慶應義塾大学総合政策学部教授

話題の人
トレーナーとして全米オープンテニス優勝に貢献

茂木奈津子さん

茂木奈津子さん

アスレティック・トレーナー・塾員

インタビュアー:石田浩之(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授)

昨年9月の全米オープンテニス優勝以来、快進撃を続けている大坂なおみ選手。茂木さんは、昨年11月まで「チームオオサカ」のアスレティック・トレーナー(AT)として、大坂選手の躍進を支えてきました。トレーナーとして、世界を舞台に活躍する日本人はまだ珍しい存在です。「トレーナー」の役割とは何か、塾庭球部からトレーナーを目指すようになったきっかけなど、スポーツを支える慶應義塾卒業生の姿を紹介します。

三人閑談
東京タワーを見上げて

東京タワーを見上げて

昨年末に「還暦」を迎えた東京タワー。三田キャンパスや芝共立キャンパスからも近く、東京のシンボルとして、今や、外国人観光客からも大変な人気です。設立された1958(昭和33)年はちょうど慶應義塾創立100年の年。三田通りからの東京タワーはドラマなどの撮影スポットとしても人気で、慶應との縁も深いものがあります。これからも東京のランドマークとして存在し続けるであろう、東京タワーの歴史と今を展望する閑談です。

望月良一
有限会社望月洋服店会長・塾員
近藤正人
株式会社テレビ東京常務取締役・塾員
前田 伸
株式会社東京タワー代表取締役社長・塾員
時の話題
平成を振り返る
昭和元禄をすぎ「平成宝永」 磯田道史
財政再建と税制改革が切り拓く新時代 土居丈朗
平成期に日本は右傾化したのか 片山杜秀
連載
福澤諭吉をめぐる人々その34 早矢仕有的 末木孝典
写真に見る戦後の義塾36 三田の花時計と日吉の噴水 石黒敦子
新慶應義塾豆百科35 美術品管理運用委員会
その他
巻頭随筆 丘の上 ────
国際文化会館の役割 近藤正晃ジェームス
金栗四三と学生スポーツ 佐山和夫
我が「洋楽」のジェネレーション 髙橋明子
講演録 ────
インターネット文明論之概略 村井 純
 
執筆ノート ────
『内閣総理大臣の沖縄問題』 塩田 潮
『平成の藝談 歌舞伎の真髄にふれる』 犬丸 治
『子ども文庫の100年──子どもと本をつなぐ人びと』 髙橋樹一郎
Researcher’s Eye ────
慶應SKC計画~学びと研究の転回 岡原正幸
二十八のノーベル賞の土壌 足立剛也
ICTと新たな地球市民教育 前川マルコス貞夫
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有吉 洋、藤本正行、森 吉平、田村定義
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慶應義塾体育会準硬式野球部オーストラリア遠征 小圷 伸
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栗林忠男名誉教授逝く 大森正仁
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場、寸描(鷲見洋一)、山上広場、塾長室日誌(2019年2月)、塾内ニュース、三田会だより、慶應〝塾〟語事典、寄付・維持会申込者芳名
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慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

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