No.1224(2018年7月号)
特集
No.1224(2018年7月号)
特集
三田評論
2018年7月号表紙
先月号の「写真に見る戦後の義塾」は5号館が取り上げられていたが、真夏の三田山上の魅力は、つねに吹き込む涼やかな海風にあった。とくに図書館大閲覧室には開け放たれた三田通り側の窓から、実にさわやかな海風が室内に吹き込み、心地よい冷気に満たされることもあった。休暇中とはいえ、その冷気に誘われて訪れる学友も決して少なくはなかった。通学課程の学生たちが休暇に入ると、入れ替わりで通信教育課程の学生が三田山上に満ちる。スクーリングに参加する地方の学生会の色とりどりの旗や幟等がはためき、いつもの山上とは異なった景色が見られる。こうした風景に、ようやく暑中休暇が実感されるというのも三田山上の独特な風景であった。この時期に上京する通教生の宿泊のため、中等部の教室内に簡易なベッドが持ち込まれたこともあったと記憶する。学びの場と生活の場がつねに一つであることが実感された。
飯田裕康
指定管理者制度の導入の是非を問う議論や、文芸出版社からの「文庫本貸し出し禁止」提案など、図書館を巡る話題が新聞等でもよく見られます。変化のただ中にある図書館はどこへ行くのか? 「知の拠点」として公共性の高いサービスを提供する役割を持った公共図書館は、市民からの要望との間で揺れ動いているようにも見えます。「読書離れ」が言われる今、あらためて図書館の変容を問う特集です。
松居大悟さん
映画監督、劇団ゴジゲン代表・塾員
インタビュアー:阿部広太郎(電通コンテンツ・デザイン・センター・塾員)
映画監督として、劇団代表として、TVドラマ監督としても活躍の場を広げている松居さん。話題となったTVドラマ「バイ・プレイヤーズ」のこと、次々と公開される映画「アイスと雨音」「君が君で君だ」のこと、など創作にまつわる話を存分に語っていただきました。そして松居さんの原点は慶應時代の演劇サークル「創像工房in front of」にあることも。
「神々と芸能の島」と呼ばれ、1990年代には日本でもブームが起こったバリ島。今やリゾート観光地として定番ですが、その姿はどのくらい御存知でしょうか。20世紀に入り、欧米人の来島とともにその独特のバリ・ヒンドゥーの独特の文化が紹介され、舞踊や音楽などが注目を浴びるのですが、そこには「知られざる歴史」もあるようです。伝統に根ざしながらも変化を続けていくバリの魅力を探ってみました。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。