No.1225(2018年8・9月合併号)
特集
No.1225(2018年8・9月合併号)
特集
三田評論
2018年8・9月合併号表紙
特集は「自由貿易のゆくえ」。均衡ないしバランスというタームは、経済学にとってきわめて重要な意味を持つ。経済学を理解することは、ある立場からすれば、この言葉の意味を体得するということなのかもしれない。とはいえ、現実の経済社会のなかにこの言葉の意味するところを理解しようとすると、実につかみ所のない、曖昧な言葉だということに、誰でも容易に気づくのではなかろうか。この曖昧さが、逆に経済学という学問の必要性を訴えていよう。「経済人」としての人間は、現実的には、何重にもオブラートに包まれた得体の知れないものでしかないということか。バランスのとれた経済行動など、考える余地のないほど「忙しい」のである。経済学の世界では倫理学や道徳哲学といわれる領野への関心を深めながら展開を志向してきた。そこで、こうした学問的伝統への配慮こそ現に求められてはいないか。
飯田裕康
アメリカのトランプ政権による保護主義的な経済政策が世界に大きな波紋を広げています。国際社会において尊重するものと認識されていた「自由貿易」が危機にさらされているといっても過言ではありません。中国の台頭、EUの動きにも目が離せないなか、日本の立ち位置はどこにあるのか。不透明な国際経済の情勢を読み解いていく特集です。
分部庸子さん
日産愛媛自動車大学校校長・塾員
国家資格である自動車整備士を養成する日産愛媛自動車大学校校長に就任された分部さん。日産自動車勤務時代には、女性がまだ少なかった時代に、持ち前の努力によってインド日産副社長も務められました。普段あまり意識することのない、日本のものづくりを支える自動車整備の世界について、たっぷりとお話しを伺ってきました。
今、サウナが若者の間で人気だそうです。「サウナー」という言葉も登場し、従来の「暑い、つらい、苦しい」というイメージを払拭する、低温で心地よいサウナの利用法が広まっています。企業に「サウナ部」まで設けられているとか! 野外で利用する「テントサウナ」もあり、この夏、サウナで「快汗」し、さっぱりした気分になってはいかがでしょうか。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。