No.1226(2018年10月号)
特集
No.1226(2018年10月号)
特集
三田評論
2018年10月号表紙
図書館旧館の改修工事が進んでいる。義塾の伝統を具象化したような記念すべき建造物である旧館。学生時代を振り返って、今日とは比較すべくもない不便な時代に、あの図書館の存在は、あえて言えば塾で学ぶことの象徴的な意味を具現していたように思う。「中等部の歌」にあるように、まさに「独立の塔」である八角塔。煉瓦造りの建物の全体が醸し出す独立自尊の気風。未だ戦災の跡の生々しい時代にあって、実に誇らしい景観であった。教員となり書庫への立ち入りが許されて感じたのは、書籍資料を探す難しさよりも、自分の進むべき道の無限の広がり、いわば学問の永遠の広がりであった。かつて故大塚金之助先生(一橋大学名誉教授、社会経済思想史)は、戦中思想弾圧の厳しい時代に唯一入館を許してくれた図書館、それが慶應義塾図書館だったといわれていた。自由の気風を具現する存在たる慶應義塾図書館。その永遠の存立を願ってやまない。
飯田裕康
2008年に共立薬科大学との法人合併で誕生した慶應義塾大学薬学部。慶應で一番若いこの学部は、今や医療系三学部の一つとして、義塾の研究・教育・医療に確たる位置を占めています。この10年の軌跡を振り返るとともに、これからの健康長寿社会を薬学分野からどのように担っていくか。特集で紹介します。
北野華子さん
NPO法人 Being ALIVEJapan理事長・塾員
インタビュアー:秋山美紀(慶應義塾大学環境情報学部教授)
この夏、慶應義塾大学体育会野球部に長期療養を必要とする中学生が入団しました。これは北野さんがやっている、長期療養児とスポーツチームのマッチング事業TEAMMATESによるものです。アメリカでCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)という資格を取り、スポーツの力で長期療養児を支援する取り組みに尽力する北野さん。その様子をじっくりと伺いました。
“パラパラ”で美味しいチャーハンを家庭でも作りたい。中華料理屋さんの味と触感を得るにはどうしたらよいか。日本で独特の進化を遂げたチャーハンづくりの技法とは。本場中国のチャーハン事情から、中国料理人の秘伝のワザまで。必ずチャーハンが作りたくなる閑談です!
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。