三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1226(2018年10月号)

特集

薬学部開設10周年

三田評論

─ 表紙絵:鎮目守治 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

定期購読:4,700円(税・送料込)

在庫について

配送料について

-->

定期購読の申込み

寸描2018年10月号について

三田評論10月号

三田評論
2018年10月号表紙

図書館旧館の改修工事が進んでいる。義塾の伝統を具象化したような記念すべき建造物である旧館。学生時代を振り返って、今日とは比較すべくもない不便な時代に、あの図書館の存在は、あえて言えば塾で学ぶことの象徴的な意味を具現していたように思う。「中等部の歌」にあるように、まさに「独立の塔」である八角塔。煉瓦造りの建物の全体が醸し出す独立自尊の気風。未だ戦災の跡の生々しい時代にあって、実に誇らしい景観であった。教員となり書庫への立ち入りが許されて感じたのは、書籍資料を探す難しさよりも、自分の進むべき道の無限の広がり、いわば学問の永遠の広がりであった。かつて故大塚金之助先生(一橋大学名誉教授、社会経済思想史)は、戦中思想弾圧の厳しい時代に唯一入館を許してくれた図書館、それが慶應義塾図書館だったといわれていた。自由の気風を具現する存在たる慶應義塾図書館。その永遠の存立を願ってやまない。

飯田裕康

特集薬学部開設10周年

公共図書館を考える

2008年に共立薬科大学との法人合併で誕生した慶應義塾大学薬学部。慶應で一番若いこの学部は、今や医療系三学部の一つとして、義塾の研究・教育・医療に確たる位置を占めています。この10年の軌跡を振り返るとともに、これからの健康長寿社会を薬学分野からどのように担っていくか。特集で紹介します。

座談会
これまでの10年とこれからの10年

紀平哲也
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)ワクチン等審査部長
上原 明
大正製薬ホールディングス代表取締役社長、慶應義塾理事・評議員
佐藤淳子
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)国際部長・特選塾員
鈴木孝治
JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター(JKiC)研究部門長・塾員
金澤秀子
慶應義塾大学薬学部長・薬学研究科委員長(司会)

関連記事

慶應義塾大学薬学部の過去・現在・未来
望月眞弓
慶應義塾大学薬学部教授、大学病院薬剤部長
3学部合同教育の進展
大谷壽一
慶應義塾大学薬学部臨床薬物動態学講座教授・学部長補佐 (学習指導主任)
「医工薬コモンズ」を通じた塾内共同研究の推進
登美斉俊
慶應義塾大学薬学部薬剤学講座教授
創薬研究センターの展開
三澤日出巳
慶應義塾大学薬学部創薬研究センター長、薬理学講座教授
薬学部への期待 ── 外部研究機関から
小安重夫
国立研究開発法人理化学研究所理事、元慶應義塾大学医学部教授
人生100年時代の慶應薬学 ── 総合大学の強みを生かして理想の4P医療を
冨田 勝
慶應義塾大学先端生命科学研究所長、環境情報学部教授
慶應義塾の一員として
山科晴香
協和発酵キリン研究開発本部・平24薬
創薬研究者の育成を目指して
青柳良平
慶應義塾大学薬学部助教

話題の人
スポーツの力で長期療養児を支援する

北野華子さん

北野華子さん

NPO法人 Being ALIVEJapan理事長・塾員

インタビュアー:秋山美紀(慶應義塾大学環境情報学部教授)

この夏、慶應義塾大学体育会野球部に長期療養を必要とする中学生が入団しました。これは北野さんがやっている、長期療養児とスポーツチームのマッチング事業TEAMMATESによるものです。アメリカでCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)という資格を取り、スポーツの力で長期療養児を支援する取り組みに尽力する北野さん。その様子をじっくりと伺いました。

三人閑談
チャーハンを極める

チャーハンを極める

“パラパラ”で美味しいチャーハンを家庭でも作りたい。中華料理屋さんの味と触感を得るにはどうしたらよいか。日本で独特の進化を遂げたチャーハンづくりの技法とは。本場中国のチャーハン事情から、中国料理人の秘伝のワザまで。必ずチャーハンが作りたくなる閑談です!

菰田欣也
ファイヤーホール4000オーナー
土屋 敦
料理研究家、ライター・塾員
山本英史
南開大学講座教授、慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾高校野球部甲子園出場
Photo News:慶應義塾高等学校野球部 夏の甲子園第100回記念大会の軌跡
敗戦からの挑戦──第100回夏の甲子園大会を戦って 赤松衡樹
10年分の想いの集積地 小山太輝
連載
福澤諭吉をめぐる人々その28 小川武平 齋藤秀彦
義塾を訪れた外国人第28回 ジョセフ・ナイ田所昌幸
その他
巻頭随筆 丘の上
戦中・戦後の義塾の日々 岡本徳彌
明治期女子高等教育と日英同盟 白井堯子
エコールド熊本三田会 世良喜久子
私の音楽研究 樋口隆一
            
講演録 ────
ベトナム、中東、そして日本における私の旅路 ──未来の若者たちへのメッセージ
リチャード・L・アーミテージ
演説館 ────
「日本版司法取引」の導入で刑事司法はどう変わる 安冨 潔
執筆ノート ────
『人に言いたくなる アメリカと野球の「ちょっとイイ話」』 向井万起男
『バッハ 「音楽の父」の素顔と生涯』 加藤浩子
『帝国議会──西洋の衝撃から誕生までの格闘』 久保田 哲
『福澤諭吉と慶應義塾の歳時記』(齋藤秀彦・文/信時茂・絵) 山﨑一郎
Researcher’s Eye ────
トラム導入にみる交通政策の重要性 青木 亮
批判と追求の狭間で 和田龍磨
長時間労働は複雑である 渡辺真弓
塾員クロスロード ────
小説家以前 中澤日菜子
曇りのち晴れ 銅冶勇人
社中交歓 ────
シャーロック・ホームズ 小山 正、駒月雅子、毛利峰子、佐藤元状
KEIO Report ────
            
塾歌を生み出したピアノ
──初等部で信時潔旧蔵ピアノ・オルガンによるレクチャーコンサート開催
井谷佳代
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場、寸描(飯田裕康)、山上広場、塾長室日誌(平成30年7・8月)、塾内ニュース、三田会だより、福澤先生の漢詩、寄付・維持会申込者芳名
  • 2018年三田評論10月号
  • 2018年三田評論8・9月合併号
  • 2018年三田評論7月号
  • 2018年三田評論6月号
  • 2018年三田評論5月号
  • 2018年三田評論4月号
  • 2018年三田評論3月号
  • 2018年三田評論2月号
  • 2018年三田評論1月号
  • 2018年三田評論12月号
  • 2018年三田評論11月号
  • 2018年三田評論10月号
前号紹介2018年8・9月号合併号 No.1225

自由貿易のゆくえ

さらに詳しく見る

次号予告2018年11月号 No.1227

NPOの20年

さらに詳しく見る

慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

さらに詳しく見る

BOOKS慶應義塾大学関連の書籍

  • 應義塾 歴史散歩 キャンパス編
  • 慶應義塾 歴史散歩 全国編
  • 福澤諭吉 歴史散歩
  • 小泉信三エッセイ選 1 善を行うに勇なれ
  • 小泉信三エッセイ選 2 私と福澤諭吉
  • 應義塾 歴史散歩 キャンパス編
  • 慶應義塾 歴史散歩 全国編
  • 福澤諭吉 歴史散歩
  • 小泉信三エッセイ選 1 善を行うに勇なれ
  • 小泉信三エッセイ選 2 私と福澤諭吉