No.1227(2018年11月号)
特集
No.1227(2018年11月号)
特集
三田評論
2018年11月号表紙
私大や私学経営は大変な時代になったといわれる。少子化が進む中では当然とも思われるが、経営上の工夫もネタ切れになりつつあるということだろうか。塾のような私学を引っ張ってゆく立場にある「学塾」は、この問題の打開に一定程度の見通しをもっていると思いたい。150年を超える私学の雄であるわが「学塾」の明日が安泰であることを願う。生徒・学生・教員として塾の中で歩んできたものの一人として、自分の歴史の大半は塾そのものと一体であるという気概が、80年余のわが人生を支えた貴重な基盤の一つである、といまにして想わずにいられない。塾の門をくぐった1949年頃の三田の殺伐とした戦後の風景の中で新生中等部の中庭の緑と花々、生徒と若々しい先生方との語らいの賑やかな声、これらはそこに集った人々の長い人生の確たる行方を象徴的にあらわしていたと解したい。我が人生の喪ってはならない記念碑的画像として大事にしてゆきたい。
飯田裕康
本年はNPO法が施行されてから20年という年になります。阪神・淡路大震災を一つの契機として誕生した、市民が法人格をもって非営利で活動するNPO法人は、どのように育ち、社会の中で認められるようになっていったのか。その軌跡を振り返るとともに、新しい世代のNPOの活動も伝えていく特集です。
村上祐資さん
極地建築家・塾員
インタビュアー:池田靖史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
「極地建築家」――この耳慣れない言葉は何でしょうか? 村上さんは南極越冬観測隊や過酷な環境の中で行われた「火星実験生活」など極地での生活を1000日以上も体験し、そのなかで、建築とは、人間の暮らしの原点とは何かということを考えてきました。そのお話は人が共に暮らすことがどういうことかを深く考えさせるものでした。
「アメコミ」映画は今や毎年ヒット作が出る人気コンテンツで、最近は若い人たちにもファンが多いようです。スーパーマンやバットマン、スパイダーマンなどのスーパーヒーローには一度は親しんだことがあるのではないでしょうか。原作コミックと映画の違いや、陰影に富んだヒーロー・ヒロイン像、勧善懲悪に止まらないストーリーなどについて、名うての論客が語り尽くします。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。