No.1231(2019年3月号)
特集
No.1231(2019年3月号)
特集
三田評論
2018年3月号表紙
本号のテーマは「スペース」。2月号の「公共空間」ともどこかで響きあう。宇宙スペース(特集「日本の宇宙戦略を問う」)と地上スペース(残りの記事)とに分けられるが、面白いのは後発の宇宙スペースの話に、あらゆる地上の問題が反復されること。「微小プラスチック」(ヒサクニヒコのマンガ)は「スペースデブリ」(青木節子、神武直彦、泰松昌樹)として復活する。元警視庁音楽隊長藤崎凡氏「音楽に国境はない」と「人類の文明を宇宙に広げましょう」(石田真康)とは同根。「世界記録コンサルタント」(酒部美希)の心意気はアルファ・ケンタウリを目指す探査(小泉宏之)にも通じている。なんでもあり。まだないのは「宇宙社中」(笑)ぐらいか。三人閑談「ポーランドと日本」は秀逸だ。地上スペースなれど、ここには「歴史」や「過去」がある。司会がおらず、各自思い思い。三名の深い蘊蓄や認識が「親日」問題などでズレるのも傑作。
鷲見洋一
「はやぶさ2」の探査が成功したり、宇宙旅行についてのニュースもよく耳にする現在、宇宙のことが身近になってきたように感じます。このようななか日本の宇宙戦略・宇宙開発はどのような立ち位置にあるのか。「宇宙は人類のフロンティア」と言われますが、国家間の競争も激しく安全保障にとっても重要な場です。宇宙起業家も続々と登場し、新たな産業創出も進むなか、どんな未来を創ることができるでしょうか。
葛西 健さん
WHO西太平洋地域事務局長・塾員
インタビュアー:天谷雅行(慶應義塾大学医学部長)
この2月に日本人として3人目のWHO西太平洋地域事務局長に就任した葛西さん。19億人の人口を抱える、この地域の健康危機管理の責任者として重責を担います。急速な社会発展に伴う健康状態の変化、いつ起こるかわからない感染症の爆発的増加などの「未来の問題」に対処するべく世界を駆けまわっている葛西さんの仕事ぶりを伺いました。
本年、日本とポーランドは国交樹立から100年の節目を迎えました。中世には中東欧の大国として栄華を誇るものの18世紀後半には周囲の大国により分割させられてしまったポーランド。「親日国といわれるその真相は?」「王様がいるのに共和国って何?」といった話題に興味が尽きません。「ヨーロッパの防壁」とも呼ばれるポーランドの理解が深まる閑談です。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。