No.1229(2019年1月号)
新春対談
No.1229(2019年1月号)
新春対談
三田評論
2019年1月号表紙
「文系」一色の新春号である。巻頭の「丘の上」からして「新訳 星の王子さま」(島原健三)、「釈宗演」(長谷部八朗)。恒例の「新春対談」で塾長のお相手は、観世流能楽師の坂井音重氏。ちょっと出来すぎ。そこで長谷山塾長が強調する「人間交際(じんかんこうさい)」は、期せずして本号の主要キーワードになった。文系の真骨頂みたいな思想を、皆が申し合わせたように唱和する。「日本文化における救済」(坂井音重)。「パワーの関係だけではない、人間同士の関係」(廣野美和)。「お互いに信頼し合うことが共同研究にはとても大切」(所裕子)。「協力行動が生存率を高める」(「三人閑談」川端裕人)。小論文コンテストは力作が揃った。小泉信三賞受賞作の稲垣早佑梨さん「『文学は社会の役に立つか』と問う社会を問う」は、塾長の問題提起に真っ向から答え、本号全体のいわば結論をなす。日野啓三、吉本隆明まで読み込んでの、正攻法の立論は立派。久しぶりに読む青臭い文学論。
鷲見洋一
あけましておめでとうございます。平成最後の年の新春対談は、能楽師で重要文化財総合指定者の坂井音重さんと長谷山塾長によるものです。創立150年記念の薪能を三田で演じた坂井さんは、ロシア、中国をはじめ世界各国で公演を行い、国際的な文化交流を熱心に行っています。慶應義塾のグローバルな発信と重ね合わせ、未来の学塾の姿を考えるにふさわしい対談となりました。
〈選評〉小川原正道・荻野安奈・権丈善一・須田伸一・早川 浩
藤原かおりさん
カルビー執行役員 フルグラ事業本部本部長・塾員
インタビュアー:石原直子(リクルートワークス研究所人事研究センター長・塾員)
カルビーでシリアル食品「フルグラ」の担当として、その売り上げを5年間で約10倍まで伸ばした藤原さん。転職組にも拘らず、最初にカルビーで手掛けた商品が撤退となり“社内失業”状態に。そこから始まる飛躍のストーリーはドラマティックなものです。また慶應義塾時代のゼミの、いまなお続く強い「つながり」も十分語っていただきました。
われわれホモ・サピエンスに至る進化の過程はどのようなものであったのか。その道筋は科学の力によって少しづつ分かってきてはいるものの、まだまだ謎に包まれていて、推定の部分が多々あるようです。人類学の知見から現在、一体どこまで明らかになってきたのか。人類の起源を辿る旅は興味が尽きません。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。