スコットランドと〈開かれた〉ナショナリズム
分離独立・福祉・移民
|
そのナショナリズムはさらなる包摂を掲げて前進する。
2014年の住民投票以来、分離独立に揺れるスコットランド。 その駆動力である現代スコットランド・ナショナリズムは、はたしてどこから来て、どこへ向かって行くのか―。 分離独立・福祉・移民をめぐる言説を丹念に紐解くことで、〈開かれた〉ナショナリズムの動態を描き出す意欲作‼
ナショナリズムは排外主義的で〈閉じた〉ものだろうか? 現代スコットランドのナショナリズムはそうではない。 それは中央政府とは異なる福祉政策・移民政策の拡充を梃子に分離独立を目指す〈開かれた〉ナショナリズムである。 分離独立・福祉・移民をめぐる言説をナショナリズム論の視点から分析することで、その動態を明らかにする1冊。


『図書新聞』 2025年9月20日(第3704号)(3面)に掲載されました。評者は、石見豊氏(国士舘大学政経学部教授)です。
『朝日新聞』 2025年8月2日読書面(28面)に書評が掲載されました。評者は安田浩一氏(ノンフィクションライター)です。 本文はこちら

序章 スコットランドの独立問題を論じる 第1節 イギリス政治社会の中のスコットランド・ナショナリズム 第2節 現代スコットランド・ナショナリズムを理解するために
第1章 スコットランド・ナショナリズムを理解する 第1節 政治・国制史からスコットランド・ナショナリズムを捉える 第2節 スコットランド国民党政権の誕生と独立住民投票の実施 第3節 2014年スコットランド独立住民投票 おわりに
第2章 ニール・マコーミックと現代スコットランド ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
高橋誠(たかはし まこと) 神田外語大学外国語学部英米語学科講師 1985年生まれ。 慶應義塾大学法学部法律学科卒業 エディンバラ大学政治社会科学研究科MSc(修士号) 慶應義塾大学大学院社会学研究科博士号(社会学) 〈主要業績〉 「ブリテンの国制変容とスコティッシュ・ナショナリズムのゆくえ」『法学政治学論究』(2020) 124号 「イギリスにおける移民に対する『敵対的環境』形成と国境の日常化」『三田社会学』(2021)26号 「連合王国解体の政治社会学的考察」『人間と社会の探求』(2014)77号、ほか
|