地域医療の経済学
医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果
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第67回(2024年度)日経・経済図書文化賞を受賞しました。
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地域住民の安心感をどう高めるか
世界の最先端を走っているようで実は不備が目立つ日本の医療体制。人々が安心して暮らしていくためにはどんな情報やサービスが必要かを、地域医療の視点から丁寧に解説。診療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、国際比較を交え斬新な切り口から検討する、新しい医療経済論。
・日本の地域医療が抱える課題はどこにあるのか。 ・標準的な日本の町に暮らす地域住民が安心して生活できる医療サービス体制とは、どのようなものか。 ・医療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、今日のわが国医療体制に必要な事項を各章のテーマに据えて複層的に考察する。 ・著者が重点を置いて研究している、制度の国際比較の成果をふんだんに盛り込んだ記述が充実。 ・医療経済学研究の第一線で活躍している井伊雅子・一橋大教授による待望の単著。
『週刊東洋経済』 2024年9月21日・28日合併号「経済学者が読み解く 現代社会のリアル」(p.112)に「日本で行われる検診・健診 その深刻な問題とは何か」として、本書の著者・井伊雅子氏による記事が掲載されました。
『ファイナンス』(財務省広報誌) 2024年9月号(no. 706)「ファイナンスライブラリー」(p. 37)に書評が掲載されました。評者は、 渡部晶氏です。 本文はこちら
『週刊東洋経済』 2024年7月27日号「話題の本」(p. 85)に書評が掲載されました。評者は、河野龍太郎氏(BNPパリバ証券経済調査本部長)です。
第1章 東京という地域の医療 地域医療とは/東京の医療提供体制/東京都に病床は足りているのか/東京都民の医療ニーズの把握/東京都に医師は足りているのか/東京都民に聞いた必要な医療/東京都で策定したさまざまな計画/東京都の保健医療政策を考える コラム:保健医療圏とは、救急搬送患者の傷病程度の定義、など
第2章 現代日本の地域医療――現状と課題 地域医療の定義/日本の地域医療の現状/過疎化・高齢化が進んだ地域での不可欠な診療科(家庭医療科)/地域に医師を集めるために必要なのは質の高 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
井伊雅子(いい・まさこ) 1963年生まれ。86年、国際基督教大学卒業。93年、ウィスコンシン大学マディソン校経済学研究科修了、Ph.D.取得。世界銀行(ワシントンDC)勤務ののち95年に帰国、横浜国立大学経済学部助教授。2004年、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任。05年、同大大学院経済学研究科および国際・公共政策大学院教授となり、現在に至る。専門は医療経済学、公共経済学。政府税制調査会特別委員、日本放送協会経営委員、日本学術会議会員、財務総研「医療・介護に関する研究会」座長などを歴任。 主要業績 『医療サービス需要の経済分析』(共著)、日本経済新聞社、2002年 『アジアの医療保障制度』(編)、東京大学出版会、2009年 『新医療経済学』(共著)、日本評論社、2019年 ほか論文多数。
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