日韓ポピュラー音楽史
歌謡曲からK-POPの時代まで
|
坂本九からBTSまで、日本と韓国の音楽がおりなす戦後大衆史をたどる
私たちは「日韓」を超えられるのか? 「POPの夢」が、いまひらく――!
BTS、TWICE、BLACKPINK、NewJeans――今や世界的人気を誇るK-POPアーティストたち。彼らの活躍の裏には日韓がおりなした数十年にわたる歴史があった。抑圧と解放に翻弄されながら、大衆の欲望は、ポピュラー音楽の舞台の上で、反射しあい、ねじれ、交差する。歌謡曲から、韓国演歌、J-POP、K-POPの時代まで、日本と韓国はいかに自己/他者のイメージを構築し、欲望しあい、「POPの夢」を見たか。もうひとつの日韓戦後史を描き出す。
◆登場するアーティストたち◆ 坂本九、美空ひばり、李美子、李成愛、吉屋潤、パティ・キム、シン・ジュンヒョン、はっぴいえんど、YMO、チョー・ヨンピル、キム・ヨンジャ、ソテジワアイドゥル、H.O.T.、李博士、イ・サンウン、T-SQUARE、CHAGE and ASKA、X Japan、安室奈美恵、嵐、中島美嘉、草g剛、渋谷系、シティポップ、BoA、東方神起、KARA、少女時代、TWICE、BTS、XG、YOASOBI、imase
装丁=大倉真一郎 装画=ワタナベケンイチ
※著者名「金ソンミン」は「金成玟」です。
『図書新聞』 2024年6月8日(第3642号)(7面)に書評が掲載されました。評者は、宮入恭平氏(社会学者/大学講師)です。
『産経新聞』 2024年4月28日(読書面・18面)に書評が掲載されました。
『読売新聞』 2024年4月21日(11面・文化面 本よみうり堂) に書評が掲載されました。
はじめに
第T部 歌謡曲の時代
第1章 演歌/トロットの誕生と音楽なき「日韓国交正常化」──李美子「トンベクアガシ」と倭色禁止 1 日韓国交正常化と「トンベクアガシ」 2 演歌の誕生──「アメリカ的なもの」と「戦後」をめぐる格闘 3 トロットと倭色歌謡──「従属」と「解放」のあいだ 4 「倭色」とは何か 5 音楽検閲としての倭色歌謡論
第2章 音楽大国日本への欲望──日韓のロックと「ヤマハ世 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
金成玟(キム・ソンミン)/KIM Sungmin
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授 1976年ソウル生まれ。ソウル大学作曲科卒業。ソウル大学言論情報学科修士課程修了。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。専門はメディア文化研究、音楽社会学。東京大学情報学環助教、ジョージタウン大学アジア研究科訪問研究員などを経て現職。著書に『Postwar South Korea and Japanese Popular Culture』(Trans Pacific Press、2023年)、『K-POP――新感覚のメディア』(岩波新書、2018年)、『戦後韓国と日本文化――「倭色」禁止から「韓流」まで』(岩波現代全書、2014年)など。
|