輸入ショックの経済学
インクルーシブな貿易に向けて
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日本の製造業は世界的ブランドであったが、かつての輝きは今はない。とりわけ90 年代以降の中国の経済発展による貿易の影響「チャイナ・ショック」は有名である。その効果は雇用の減少、賃金の低下といった「負の効果」で語られがちだが、本当にそうなのか? 膨大なデータ分析と、負の影響を緩和する「インクルーシブな」輸入政策を模索する。
『日本経済新聞』 2023年12月2日(37面・読書面)に短評が掲載されました。
序章 雇用や賃金にとって輸入は「脅威」か
第1章 「輸入ショック」を知るために――基本データと分析視角 1.製造業における輸入拡大の影響 2.雇用はどう変化してきたか 3.賃金はどう変化してきたか 4.輸入企業の特徴 5.「インクルーシブ」な貿易 6.貿易理論における輸入ショック 補論.計量手法の概要――差の差推定と操作変数法
第2章 チャイナショックは雇用を減らしたか 1.チャイナ・ショックの規模と推移 2.チャイナ・ショックによる雇用総数の変化 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
遠藤正寛(えんどう・まさひろ) 慶應義塾大学商学部教授。1991年慶應義塾大学商学部卒業。1996年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学、2000年慶應義塾大学博士(商学)。1996年小樽商科大学商学部助教授、1999年慶應義塾大学商学部准教授を経て現職。日本国際経済学会長。 主な著作に 『地域貿易協定の経済分析』(東京大学出版会) 『国際経済学』(阿部顕三との共著、有斐閣) 『北海道経済の多面的分析――TPPによる所得増加への道筋』(慶應義塾大学出版会) “The China Shock and Job Reallocation in Japan,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol.68, 101257.
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