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朝鮮出版文化の誕生

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A5判/上製/378頁
初版年月日:2022/11/05
ISBN:978-4-7664-2851-3
(4-7664-2851-X)
Cコード:C3022
定価 5,500円(本体 5,000円)
朝鮮出版文化の誕生
新文館・崔南善と近代日本
書評 目次 著者略歴



第44回 日本出版学会賞(2022年度) 奨励賞を受賞しました。

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日本と朝鮮を結びつけた「出版」という知識の源泉――
朝鮮最大の知識人・崔南善の活動を中心に、近代朝鮮の思想・文化・運動を形作った「出版」の歴史を明らかにする。
本書は、近代朝鮮の出版文化の形成過程を、同時代の日本の出版界との関係を通して実証的に解明する。
1919年3月に植民地期朝鮮最大の民衆運動である三・一独立運動が起こると、朝鮮総督府は武断政治から文化政治へと統治政策を切り替えた。それによって1920年代には『開闢』をはじめとする雑誌が続々と刊行され、今日まで継続している『東亜日報』や『朝鮮日報』といった朝鮮人経営の民間新聞も創刊された。
1920年代に開花する出版文化の基礎を築いたのが、三・一独立運動の独立宣言書の起草で知られる崔南善が興した出版社・新文館である。新文館は、1908年に漢城(現・ソウル)に設立された朝鮮初の本格的な出版社であり、朝鮮「初の近代雑誌」と称される『少年』や、植民地化されて間もない1910年代の朝鮮で人気を博した「総合教養」雑誌『青春』など、近代朝鮮の出版文化史に名を残す数々の出版物を刊行した。崔南善の出版活動と新文館の実態を、日本の出版界の影響と照らし合わせながら明らかにする。

書評

『歴史評論』 886号(2024年2月)に書評(p.104−108)が掲載されました。評者は高橋梓氏(新潟県立大学)です。
『図書新聞』 2023年3月11日(第3582号)(3面)に書評が掲載されました。評者は渡辺直紀氏(武蔵大学人文学部教授)です。

目次

序 章 「一国史」を超える朝鮮出版文化史――研究の対象と課題
 1 韓国出版文化の起源
 2 新文館の創設者・崔南善とは
 3 研究史
 4 研究方法と史料
 5 内容構成

第一章 出版社新文館の設立と『少年』の創刊
 1 崔南善の日本体験
    二度の日本留学/日本での活動と出版界の衝撃
 2 新文館と『少年』にみられる日本の影響
    新文館の運営方式/『少年』の誌面構成とレイアウト
 3 啓蒙の手段としての日本書の受容
    「少年」の概念および目指す少年 ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

田中 美佳(たなか みか)
1990年佐賀県生まれ。九州大学大学院人文科学府歴史空間論専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は、朝鮮近代史、メディア史。現在、九州大学大学院人文科学研究院助教。
主な業績に「植民地期朝鮮における民間読本──1920年代初頭の青年読本を中心に」『韓国朝鮮の文化と社会』第21 号、2022 年、「崔南善の初期の出版活動にみられる日本の影響──1908年創刊『少年』を中心に」『朝鮮学報』第249・250 輯合併号、2019年(2020年度朝鮮学会研究奨励賞受賞)など。

定価5,500円 (本体:5,000円)
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